実家がゴミ屋敷になる原因や、最近になって増加している理由をまとめました。また、実家がゴミ屋敷になってしまった場合に起こりやすい問題や、親と一緒にうまく片付けを進めるにはどうすればいいかも紹介します。
実家のゴミ屋敷化に悩む人が増加中
近年、実家のゴミ屋敷化に悩む人が増えています。世帯の人数が減り、高齢者だけで住む家が増えていることも一因です。
実家に帰る機会が少ないと、気づいたときにはゴミ屋敷になっていて驚くこともあるでしょう。悩んでいる人が多く、書籍やブログなどで、多数の体験談も公表されています。
核家族化と高齢者世帯の増加
昔に比べて人口における高齢者の人数が増えたことも、ゴミ屋敷化を進めている原因です。それ以外に、核家族化が進んだことも原因の1つでしょう。
若い世代だけで暮らす世帯が増えたのと同じように、高齢者だけで暮らす世帯も増えています。夫婦で生活しているとどちらも同じように年を取り、できることが少なくなっていくことも特徴です。
また、配偶者に先立たれてしまうと、孤独感によるやる気の低下や、認知症、身体的な問題などで掃除ができないことも一因になります。
気づいた時にはゴミ屋敷化が進行
実家が近く、頻繁に帰れる人なら変化に気づきやすいですが、たまに電話で話すくらいの間柄ならゴミ屋敷化に気づくことが難しいでしょう。もし本人がゴミ屋敷化を自覚していても、親としてのプライドもあるため子どもに伝えることは稀です。
仮に伝えていたとしても、実際に見に行かなければどれほどひどい状態なのかはわかりません。そのため、実家のゴミ屋敷化は気づいたときには手遅れに近い状態まで進行している場合が多いでしょう。久しぶりに実家へ帰り、とんでもない状態になっていたと知る人もいるかもしれません。
書籍やブログで悩みがシェアされる
実家がゴミ屋敷になり、改善や片付け終わるまでの記録を書籍やブログで発表している人も見かけるようになりました。他人事ではなく、身近に感じている人も多いため、体験がシェアされるなど、注目を集めています。
実家がゴミ屋敷化してしまうと、片付けるのは大変な労力がかかります。遠方に家があるなら、通うだけでも費用や時間がかかり親の説得も必要になります。
そのような苦労を身近なブログでも体験談として公表する人が多く、他人事ではありません。今はまだ親が元気でも、いつゴミ屋敷化に悩まされるかわからないため、多くの関心を集めているのでしょう。
なぜゴミ屋敷化してしまう?
実家がゴミ屋敷化してしまう理由のひとつが、物を捨てることをよしとしない人が多い事にあります。特に、物が少なかった時代を経験した高齢者は、使えると思う物を捨てることを嫌います。
使わないとしてもとりあえず置いておくので、どんどん家のスペースがなくなりゴミが溜まるのです。
その他にも、体力がなくなって掃除が面倒になるケースもあります。また、状況によっては認知症で正常な判断ができなくなっているかもしれません。
物を捨てることへのためらい
物を捨てることができないと、家はどんどん汚れてしまいます。片付けができた頃は家のスペースに余裕があっても、長年暮らしているとそうはいきません。いらない物をおいたままでは、どうしても片付けが難しくなります。
物を捨てることにためらいがある世代に、無理に捨てさせることはできません。捨てることに罪悪感があるケースも多く、余計に意固地になり捨てる事が難しくなってしまうでしょう。
実家とはいえ、あくまでも住んでいるのは親です。子どもが勝手に片付けても、なかなか事態は改善しません。捨てる事をためらう気持ちの解決ができないままでは、しばらくしてもとのゴミ屋敷に戻ってしまうかもしれず、大変な思いをして片付けた意味がないでしょう。
まずは、本人の意見を尊重して、少しでも作業を進めることが大切です。
片付ける体力の低下
片付ける体力が低下してしまっている場合、本人がいくら片付けたくてもうまくいかないでしょう。物が多すぎることが原因になっているケースもあるため、まずは本人が片付けやすいようレイアウトを考え直すところから始めます。
また、家に暮らしている人が使わない物は、すべて捨てるくらいの気持ちで減らすことを提案しましょう。
実家についつい自分の荷物を置きっぱなしにしている人も多いかもしれませんが、片付ける力が低下した親世代には、不要な物が置いてあるだけでも掃除が大変です。
近くに住んでいるなら定期的に掃除をサポートするなど、状況に応じて手助けしましょう。家が広すぎるなら、セカンドライフに適した家へ移り住むこともおすすめです。
認知症の可能性もある
体力もあり、この間までしっかり掃除ができていた人が急に片付けられなくなったら、認知症が進んでいる可能性があります。
認知症が始まっているなら、早めに適切な治療を進めることをおすすめします。早く手を打てば、家のゴミ屋敷化だけでなく、本人の病気の進行も抑えられるかもしれません。片付けられない原因は認知症だけではありませんが、言動や行動からおかしな点があれば、早めに医師に相談してみましょう。
ゴミ屋敷の放置は危険
ゴミ屋敷は、それだけで憂鬱な気持ちになりますが、放置していいものではありません。実家がゴミ屋敷になっている場合、高齢の家族が住んでいれば、いずれ片付けなければいけなくなります。
ゴミ屋敷を放置していたことが原因で、住人の健康が害されたり、ご近所トラブルになったりすることも考えられます。早いうちに対処してしまう方が問題が大きくならずに済むでしょう。
心身への健康被害
ゴミに囲まれた生活は、体に悪いものです。ニオイや害虫の発生で、精神的に参ってしまうこともあります。
また、ゴミから出るカビやホコリ、害虫が運んでくる菌によって、健康被害にあうことも考えられるでしょう。呼吸器障害やアレルギー以外にも、害虫が発生して食中毒になることも考えられます。
火災のリスク
ゴミ屋敷が危険と言われる理由には、火災が起こりやすいことがあげられます。ゴミが多い家は、火のまわりが早く、ちょっとした火の不始末でも大きな火事に発展するためです。
また、迷惑なゴミ屋敷を燃やしてやろうと犯行に及ぶ可能性もあり放火犯がターゲットに選びやすいことも、火災のリスクにつながります。
ご近所トラブルの原因に
ゴミ屋敷から出るニオイや害虫、見た目の悪化から、ご近所トラブルに発展することもあります。近隣から苦情を言われるほどになると、行政から指導が入る可能性もあります。もし実家の住人が片付けなければ、強制的にゴミが処分されることもあります。
行政処分を受けてしまうと、清掃代金も相場より高めです。いつまでも放置しておくと、身内が多額の処分費用を請求されてしまうでしょう。
スムーズに実家の片付けを進めるコツ
スムーズに実家の片付けを進めるには、まず何が問題なのかを突き止めましょう。自分の意見だけでなく、親と話しながら、掃除ができない理由を探します。
また、自分が積極的に掃除できない場合は、業者の利用を検討しましょう。
現状の問題点を親と共有
まずは、なぜゴミ屋敷になってしまったのかを考えます。物が多すぎるなら、不要な物を処分しましょう。親の体力がなくなっているなら、どこまでできるのかを一緒に話し合っていきましょう。どうしてもできないことは身内のサポートや、業者に依頼するなど親が快適に過ごせる家を目指しましょう。
その際は、親の意見を重視して作業することが大切です。捨てられたくない物や、触ってほしくない物に手をつけられると、余計に話がこじれます。親が頑なになってしまうと作業を進められなくなるため、注意して作業を進めましょう。
業者への依頼を検討
実家が遠く頻繁に通うことが無理なら、業者を利用して短期間で掃除を済ませてしまいましょう。プロに任せれば、ゴミ屋敷でも短期間で片付きます。
大型のゴミや様々な物の混在したゴミなども、廃棄物として回収してもらえれば、分別などの手間が減るでしょう。
ゴミ屋敷は自力で片付けるとなると、かなり長期戦を覚悟しなければなりません。親と一緒に掃除をしているとどうしても作業が遅くなるため、ある程度方向性が決まったら、業者への依頼も検討しましょう。
もちろんその分費用は必要なので、いくつかの業者で見積りを取ることをおすすめします。
まとめ
実家がゴミ屋敷になってしまった人は増えています。高齢化による高齢者だけの世帯が増えていることが原因のひとつです。
実家がゴミ屋敷になった場合は、早めに対策を練りましょう。業者に依頼もできるため、まずは親と話し合ってどのような家を目指すか決めることが大切です。