ゴミ屋敷の片付けでかかる費用。処分するゴミが多いほど費用は高い

ゴミ屋敷を片付け業者に依頼すると、その費用は家の広さやゴミ屋敷にあるゴミの量で変わります。依頼に不安がある人は、事前に料金相場や業者に頼むメリットを確認しておけば、安心できるでしょう。業者に依頼した際、かかるコストについて紹介します。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

ゴミ屋敷の片付けにかかる費用

ゴミ屋敷の片付けにかかる費用は、ゴミの処分費、人件費、清掃費を全て合わせたものです。

このうち、清掃費については簡易清掃・ハウスクリーニング・特殊清掃があり、どれを選ぶかで費用は変わります。汚部屋を徹底的に綺麗にするなら特殊清掃、自分たちでどうにかするなら簡易清掃でも問題ないでしょう。

ここでは、片付け費用の大半を占める、ゴミの処分費と人件費についてより細かく見てみましょう。

ゴミの処分費

ゴミの処分費は、ゴミ屋敷のゴミが『一般廃棄物』『産業廃棄物』のどちらで扱われるかで大きく異なります。

まず、一般廃棄物とは、分別が済み、そのままの状態で出せるゴミです。処分費については担当の市区町村で大きく異なり、関東圏だけ見ても9~55円と幅広いため、事前の確認は必須です。

一方、可燃・不燃が混在しているゴミは、産業廃棄物として処理されます。ゴミの分別が難しく、可燃、不燃、資源ゴミが混在している場合、料金は高額になるでしょう。

産業廃棄物の処分費については、重さではなく体積で測る業者が多いようです。金額はゴミの種類で大きく変わるため一概には言えませんが、混合具合が激しいゴミは、そうでないゴミの倍の処分費がかかることがあります。

このほか、リサイクル家電や金庫、仏壇なども、高額になるケースが多いでしょう。

ゴミ袋や軍手等の消耗品

ゴミの処分については業者に頼らず自分で行うつもりなら、まずはゴミ袋や軍手などを大量に揃えておかなければなりません。ゴミ屋敷と呼ばれるほどの家なら、軍手は作業人数の10倍の枚数、ゴミ袋は厚手のものを100枚以上、マスクは簡易なものではなく、しっかりした物を2箱以上揃えましょう。

ゴミ屋敷のゴミがどの程度かは、始めて見ないと分からない部分があります。途中で「足りなくなった」ということがないよう、周到な準備をおすすめします。

人件費

人件費の部分についても、ゴミの量や種類が大きく影響します。ゴミ屋敷のゴミが多量だったり、可燃・不燃が混在しており分別が困難だったりする場合は、より多くの人員と作業時間が必要です。このように派遣人数を増やしたり、拘束時間を長くすると、人件費はより高額になるでしょう。

そのため、依頼者都合で作業を急いでもらうようなケースは、人員増加・拘束時間超過となり、片付け費用はかなりアップすると予想されます。

費用を抑えるなら自力で

業者に支払う料金を少しでも抑えたい場合は、自力である程度ゴミの分別や処分をしておくとよいでしょう。

前述のとおり、可燃や不燃が混在したゴミは、処理費用が高くなります。業者に依頼する前に自分で分別しておけば、業者の手間が省けるぶんコストカットできるのです。費用を抑えたい人は、ゴミの分別や袋詰めなどを片付け前に行うことをおすすめします。

業者を利用するメリット

ゴミ屋敷の中には個人でも片付け可能なケースがありますが、ゴミがうずたかく積まれていたり、害虫があちこちにはびこっているような家は業者に任せた方が無難です。終わらない片付けを延々と続けるよりも、プロの業者に頼んで、一気に終わらせた方がすっきりするのではないでしょうか。

ゴミ屋敷の片付けで業者を利用するメリットを紹介します。

ゴミの処分や清掃を一括して頼める

片付け業者に片付けを依頼すると、ゴミの処分から清掃までを一気に任せられるというメリットがあります。ゴミの多いゴミ屋敷の片付けでは、ゴミ処分は頭の痛い問題です。処分が容易なものばかりならよいですが、家電製品や大きな家具などを1人で処分するのは難しいでしょう。

ところが業者に依頼すれば、人員も豊富なうえ、ゴミを運搬する機材も揃っています。ゴミの扱いにも慣れているため、素人よりもはるかにスムーズにゴミ処分を終わらせてくれるでしょう。

また、ゴミ処分後の清掃もプロに任せた方が安心です。例えば、生ゴミを放置していたゴミ屋敷なら、臭いやシミが家中に残っている可能性があります。これを個人で綺麗にするのは困難ですが、専門業者のノウハウと薬剤があれば、見違えるほど綺麗にしてくれるでしょう。

害虫対策

業者に依頼する大きなメリットは、害虫駆除も行ってもらえるということです。

ゴミ屋敷歴が長かったり、生ゴミが多量に放置されたりしている家では、害虫が発生しています。ゴミ屋敷には必ずいるゴキブリやその他の見たこともない虫は、片付けのテンションを大幅に下げるでしょう。

害虫が発生した家は衛生状態が悪く、長時間の滞在は危険です。害虫駆除にも慣れた業者に片付けを依頼すれば、不快な害虫と戦う必要もなく、スムーズに片付けを終えられるでしょう。

ゴミ屋敷の片付け相場は?

ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する場合、おおよそでも相場を知っておけば、金額を聞いて驚くことはないでしょう。ただし、片付け料金の相場はゴミ屋敷のレベル、広さ、地域によって変わるので注意が必要です。

部屋数や広さ、ゴミの量で決まる

片付けの料金は、前述のとおり、ゴミの処分費用と人件費、清掃費が主な項目です。そのため、部屋数が広くゴミの量や斉唱箇所が多かったり、汚部屋レベルが酷く、多くの人員が必要になったりする場合は、かかる費用が高額になります。

一般的な部屋数と相場については、以下を確認しましょう。

  • 2LDK:12~30万円
  • 3LDK:15~40万円
  • 4LDK以上:22万円~

部屋数が増えるほど、派遣される人員は増え、作業時間も多くなります。そのため、費用全体が高額になりがちなのです。

地域相場を確認

ゴミの処分費用については地域差があるため、片付け費用は地域によって相場が高かったり安かったりします。

また、自宅からゴミ処分場が遠い場合もガソリン代や運搬費が高額になるかもしれません。適正な価格の片付け業者を探すには、住んでいる地域の相場がどのくらいか、事前に把握しておくことをおすすめします。

地域名を含め検索

なるべく安い業者を選びたいなら、必ず地域名を含めて検索をかけましょう。

遠くの業者に依頼すると、出張費用や運搬費用等が高くつき、ガソリン代そのものが高額になるケースもあります。業者のHPなどで料金が安く表示されていても、地域をまたげば高額になるかもしれません。業者選びには業者がどのエリアをメインにしており、どこまで対応してくれるかをきちんと確認することをおすすめします。

良い業者選びの方法

近年は不法投棄などを行う悪徳業者も増えており、片付けを依頼する業者は慎重に選ばねばなりません。なるべく安く、安心できる業者を選ぶコツを紹介します。

複数業者から見積りを取る

片付け費用を安く抑えるポイントは、複数の業者から相見積りを取ることです。

1社だけから見積りをもらっても、その金額が高いのか安いのかは判断できません。その点複数の業者から相見積りを取れば、かかる費用を正確に比較できます。内訳を見れば「この業者は丁寧だ」「この業者は適当だ」と判断できるため、業者の良し悪しも判断しやすくなるでしょう。

ただし、この時注意したいのが、『総額だけを見ない』という点です。業者の中には内訳を書かず、総額だけを記入して安く見せる者がいます。このような業者に依頼すると、契約後に想定外の費用を請求されたり、してほしい処理をしてくれなかったりというトラブルが起こるかもしれません。

業者が提示した見積りは、必要な項目が含まれていることを確認したうえで、料金を比較するようにしましょう。

必要な資格を持っているか確認

片付けそのものに必要な資格はありませんが、ゴミの処分を請け負う業者なら、『一般廃棄物収集運搬業許可』を所持していることが望ましいです。これは一般家庭で出るゴミを処分するための資格で、この資格を持つ業者ならゴミ屋敷にある不用品も回収してもらえます。

ただし、片付け業者が資格を持っていなくても、ゴミ処分をほかの業者に委託する場合は問題ありません。事前にゴミ処分を業者自身で行うのか、ほかに委託するのか確認しておくとよいでしょう。

一般廃棄物収集運搬業許可と似た資格に、『産業廃棄物収集運搬業許可』があります。こちらは産業廃棄物の回収・運搬が認められる資格で、一般家庭ごみを扱うことはできません。もしも業者がこの資格だけを提示した場合は安心せず、必ず一般廃棄物収集運搬業許可について確認しましょう。

まとめ

ゴミ屋敷の片付けにかかる費用は、ゴミの量や家の広さによって大きく異なります。ゴミが多かったり分別が困難なゴミほどコストはかさむため、コストを抑えたい人は、可能な限り個人で分別し、業者にかかる手間を省くことが必要です。

また、費用相場は地域によって差がありますが、少しでも安く抑えたいなら、必ず相見積りを取りましょう。相見積りを取ることで悪質な業者を排除し、優良な業者を見つけやすくなります。ゴミ屋敷レベルの家の片付けは、素人には困難です。速やかに業者に依頼して、綺麗な家を取り戻しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次