ゴミ屋敷化した家を片付けるなら、まずは不要物を処分しなければなりません。とはいえ、物の総量が多いゴミ屋敷をスムーズに片付けるには、効率的な作業手順を把握しておく必要があるでしょう。ゴミ屋敷を片付ける手順や、リバウンドしないコツを紹介します。
ゴミ屋敷片付けは不要物の処分から
ゴミ屋敷と化した家の片付けは、やみくもにやっても終わりません。効率よく片付けを進めていくためには、手順に沿った片付けが重要です。片付けようと決めたら、事前に大量のゴミ袋、軍手、マスク、ゴーグルなどを準備して、スムーズに作業できるようにしておきましょう。
ゴミ屋敷を綺麗にするには、どのような手順で片付けていけばよいのでしょうか。
明らかなゴミを捨てる
物で溢れたゴミ屋敷を片付けるには、まず一目でゴミとわかる物をどんどん処分していきます。
通常の家の片付けとは異なり、ゴミ屋敷で出るゴミや不用品は驚くほど多量です。床面を埋め尽くしたゴミが無くなり床面が見えれば、「綺麗になった」という実感を得られるでしょう。
ただし、この時気を付けたいのが、小さな区画に区切ってゴミを拾っていくということです。初めから広範囲に手を伸ばすと、作業効率が悪く、体力を消耗します。ゴミ屋敷の片付けは先が長いので、小さなスペースから少しずつ綺麗にしていきましょう。
片付いた場所から清掃
ゴミや不用品をゴミ袋に収めたら、ゴミのあった場所には何もない空間が出来ているのではないでしょうか。ここまでくれば、落ちている小さなゴミを掃除機やほうきで集めれば終わりです。
この時、臭いやシミが気になる部分があれば、消臭スプレーや除菌スプレーで対応します。生ゴミが落ちていた場所などは特に念入りにスプレーして、綺麗な状態を取り戻しましょう。
大量のゴミは業者への依頼も検討
ゴミ屋敷の片付けは不可能ではありませんが、あまりにもゴミが多量な場合は、個人での片付けをあきらめた方がよいかもしれません。
ゴミ屋敷と一口にいっても、ゴミの量や汚れ具合によって、それぞれに大きな差があります。『ゴミが天井まである』『多量のゴミに害虫がたくさん湧いている』などのゴミ屋敷なら、片付け専門の業者に依頼することをおすすめします。
ゴミ捨ての手順
ゴミ屋敷を片付ける際の最重要ポイントとなるのが、溢れるほど大量なゴミをいかに処分するかです。ゴミ捨てを効率的に行えれば、ゴミ屋敷の片付けもスムーズに進むでしょう。
ゴミ屋敷のゴミ捨てはどのような手順で行えばよいのでしょうか。
ゴミの処分方法を確認
一口にゴミといっても、燃えるゴミ、缶、ビンなどがあり、ゴミの種類によって処分方法は異なります。スムーズな片付けのためには、各ゴミの処分方法について正確に把握しておかねばなりません。粗大ゴミとして出すもの、リサイクルできるものなど細かく分類し、確実に引き受けてもらえるようにしておきましょう。
ただし、細かい分別規定は、住んでいる市区町村によって異なります。よくわからない場合は、市区町村のゴミ担当窓口に問い合わせてみてください。
出入り口と通路を確保
ゴミ屋敷のゴミ処分では、玄関や廊下からスタートして、出入り口と通路を確保しなければなりません。
大量のゴミがあるゴミ屋敷では、適当な場所からゴミの処分を始めると、溢れたゴミが全ての通路や出入り口を塞ぎ、後で搬出できなくなるおそれがあります。まず玄関やそこに続く廊下を空けて通路を確保すれば、人も通りやすく、効率的にゴミ処分ができます。
また、出入り口や通路を確保しておくことは、空気の流れを確保することにもつながります。ゴミ屋敷の不衛生な空気を吸い続けると、健康被害を受けるかもしれません。空気の流れを確保しておくことで換気がしやすくなり、作業もいくぶん快適になるでしょう。
大きな物から処分
ゴミには大小色々なサイズがありますが、まず取り掛かるべきはスペースを占領している大きなゴミです。
使わない家具や穴の開いたソファなど、明らかなゴミは「要るか、要らないか」で頭を悩ませる必要がありません。あれこれ考えずに捨てれば良いので、作業はテキパキと進むでしょう。
大きなゴミがなくなれば、部屋の中は一気にすっきりします。「片付いた、綺麗になった」という実感が得られれば、残りのゴミ処分も頑張ろうという気分になるのではないでしょうか。
断捨離のコツ
不要な物が溢れるゴミ屋敷には、『断捨離』を取り入れることをおすすめします。断捨離とは、『断行・捨行・離行』というヨガの行法哲学をもとに生まれた言葉で、「物理的・精神的に過剰と思える物を取り除いて生きよう」という考え方です。
片付け方法だけではなく、精神的な心構えについても教えてくれるので、断捨離を続けていけば家も心もすっきりと軽くなるでしょう。断捨離をうまく行うコツを紹介します。
もったいないという考えを捨てる
物を目の前にして、「もったいない」と考えてしまうと、処分が進みません。「高かったから」「思い出の品だから」など、物の処分に迷う原因は色々あるでしょう。しかし、不要な物を持ち続けても、物を活かすことは不可能です。断捨離を決意したなら、物に執着するのはやめましょう。
高価なアクセサリーや衣類ならリサイクルショップやフリマに出せばよいですし、思い出の品ならデータ化して保存しておくという方法もあります。物を上手に活用する人は、本当に必要な物を見極められる人です。もったいないから、などとやみくもに物をキープするのはやめましょう。
迷ったら捨てる
「いつか使うかも」「まだ使える」と考えて物を保管している人は、実際にそれを使う場面がありそうですか?
物を処分する時に、このような言い訳が出てくる人ほど、余計な物を溜め込みがちです。
今まで存在さえ忘れていたような物なら、今後も必要になることはありません。物を手に取って、すぐに「必要だ」と判断できない物は、潔く処分することをおすすめします。
二度とゴミ屋敷に戻らないことが重要
片付けは、一旦綺麗にすればそれで終わり、というわけではありません。ゴミを処分した後も以前と変わらない生活を続けていれば、あっという間にゴミ屋敷に逆戻りしてしまうでしょう。
二度とゴミ屋敷に戻らないようにするには、どうすればよいのでしょうか。
片付けられない原因を自覚し対策
本人に片付ける気力や時間があるにも関わらずゴミ屋敷化を止められない場合は、精神疾患、強迫性障害、発達障害などが考えられます。
これらを発症している場合は、いずれも努力や他人の説得でどうにかなるものではありません。日頃の様子を観察し、家人の行動に違和感を覚えたら、すぐに専門医に相談することをおすすめします。
また、家人が高齢である場合は、認知症を発症している可能性もあります。いずれにせよ、早めに医師の診断を仰ぐとよいでしょう。
物を増やさない
家がゴミ屋敷化するのは、収納力以上の物が家に入り込んでいるからです。
一旦家を綺麗にした後は、家に入る物の量を正しくコントロールすればゴミ屋敷化は防げるでしょう。ついつい物が増えてしまう、という人は物を購入する際に、「本当に必要なものか」「同じような物を持っていないか」「購入したらどこに収納するか」「本当に欲しいのか」をしつこく自問自答してみてください。
少しでも躊躇する回答があるなら、それは購入の必要がない物です。購入は控えて、見送りましょう。
これらの項目をクリアした物は購入してもOKですが、かわりに1つ家にある物を処分します。こうすれば新しい物が増えても、物の全体量は変わりません。この方法を実践すれあ際限なく物が増えるのを防げるため、ゴミ屋敷化しにくくなるでしょう。
清掃の仕方を知る
再びゴミ屋敷にならないようにするには、適切な清掃を行うことが重要です。汚れが小さいうちは掃除が容易ですが、時間がたつにつれて汚れは大きくなり、落とすのが難しくなります。掃除はできるだけこまめに行い、汚れる前に片付けや掃除をしましょう。
例えば、トイレは使う度に少しずつ掃除する、リビングはフロアシートでささっと拭く、など軽い掃除を習慣化しておけば、大きな汚れは溜まりません。清掃のコツをつかんで、汚れにくい家を目指しましょう。
まとめ
ゴミ屋敷の片付けでポイントとなるのが、不要物やゴミをいかに処分するかです。明らかなゴミは迷うことなくゴミ袋に入れ、家全体の物の量を減らしましょう。
家を占拠していたゴミを捨てれば、ゴミ屋敷もすっきりします。清掃後は2度とゴミ屋敷と呼ばれることがないよう、定期的な断捨離とこまめな清掃をおすすめします。