ゴミ屋敷の住人の特徴とは?行政の力を借りて解決しよう

ゴミ屋敷に住む住人には、一定の特徴があります。もちろん必ずしも条件に当てはまるわけではありませんが、孤立している人や精神的な疾患がかかわっている可能性は高いでしょう。ゴミ屋敷に住むデメリットや、解決が難しい理由も紹介します。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
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ゴミ屋敷の住人の特徴

ゴミ屋敷の住人は、地域社会などから孤立している人が多いことが特徴です。誰かと関わっていれば部屋を片付けようという気持ちもおきますが、誰とも会わないのではやる気も失われます。

また、うつ病や認知症によって、正常な判断ができなくなっている可能性もあるでしょう。人と関わりたがらない場合は、何らかの心理的な問題が疑われます。

社会から孤立し孤独感が強い

ゴミだらけの家に住んでいても問題視されないのは、社会から孤立しているためです。心配してくれる身内や知人がいる間は、いくらズボラな人でもそこまでひどい状態にはなりにくいのではないでしょうか。

目に見えるようなゴミの状況になれば近所の人や自治体から苦情が来ますが、その頃にはすでに自力で片付けられないほどの状態と言えます。

ゴミ屋敷は、普通の状態からかなりかけ離れています。あまりにもひどい状態なら、関わる人がいないことがストレスなのかもしれません。孤独感が強くなると、その分物を集めて不安から逃れようとする人もいます。

うつ病や認知症など心理的問題や病気を持つ

うつ病になると、掃除だけでなくすべてのことが億劫になります。死にたいと悩んでしまうこともあり、部屋の片付けまで気が回りません。

人とかかわらないでいることで、うつ病を発症するケースもあります。孤独感がストレスとなるためです。

また、認知症もゴミ屋敷化を加速させる原因です。脳の機能が低下すると、掃除をしようとしてもうまくいきません。初期状態であれば周りも気づきにくく、ただ片付けられない人と思われてしまうこともあるでしょう。

何らかの心理的な問題がある場合は、周囲のサポートや医療的なアプローチも大切です。

近所にゴミ屋敷があるリスク

近所にゴミ屋敷がある場合、多くのリスクがあります。直接的な問題としては、悪臭や害虫による被害が考えられるでしょう。

その他にも火災発生など、普通の家に比べて問題が起こりやすく、住んでいる本人だけでなく周りにも迷惑がかかります。

ゴミによる害虫発生や異臭

ゴミを放置していると、害虫も発生します。生ゴミにはハエなどの虫がたかり、ゴキブリなども発生しやすくなるでしょう。

また、布製品や紙ゴミを食べる虫も発生します。さまざまな虫が近くの民家に移動すれば、ゴミ屋敷だけの問題ではありません。

また、ゴミからは異臭も漂います。生ゴミの場合は腐ったニオイがするなど、近隣に住んでいれば放置できるものではありません。生ゴミを放置していないとしても、排水溝や水回りからもニオイは発生します。

火災の危険性

ゴミ屋敷はゴミに埋もれてしまい、火災のリスクも増加しています。家中がゴミだらけのため、火が出たときに燃え移りやすいことが特徴です。

また、家の外までゴミがあふれていれば、放火される危険性もあります。通常の家であれば周囲に燃えやすい物はほとんどありませんが、ゴミ屋敷は家の外に可燃物が多く積まれているので、燃え広がるのも早いでしょう。

周辺環境の悪化

汚い家によって、周辺環境が悪くなることも問題です。管理されずゴミだらけの家は、あるだけで周辺環境を悪化させます。

ゴミ屋敷の近くに住みたいと考える人は少なく、それだけで土地の値段が下がってしまうこともあり得るからです。誰も寄り付かないようなエリアでは、犯罪者が隠れやすいことも特徴です。

周辺に住む人も、悪臭や害虫の増加で生活がしにくくなります。

個人で解決するのは難しい

もし隣の家がゴミ屋敷になってしまったとしても、個人で解決するのは難しいでしょう。基本的に、他人が人の物を処分するのは法律に違反してしまうからです。たとえゴミでも、本人が「必要な物だ」と主張すれば勝手に捨てることはできません。

また、まともに聞こえるような発言をしても、ゴミを溜め込んでいることが精神的な拠り所になっているような人もいます。その場合は、ゴミを捨てようとすると怒り出す可能性があります。

危険も伴うため、自分で解決しようと動くのは避けておきましょう。

ゴミでも勝手に処分はできない

ゴミなのか、そうでないかは本人が決めることです。たとえば古い家電製品でも、必要だと考える人はいるでしょう。

人によって必要な物と不要な物は違います。判断が難しいため、他人の物は勝手に処分できないよう法律で定められています。

もしゴミを勝手に処分して、相手に訴えられれば問題です。もしかしたら、ゴミの中に大切なものが混ざっている可能性もあります。

相手がキレる場合がある

ゴミを溜め込む人は、ゴミも財産と思い込んでいることがあります。大切な物と思い込んでいるゴミを捨てられれば、怒り出すことも考えられるでしょう。

また、何らかの精神的な疾患を抱えている人は、話が通じないかもしれません。うつ病や認知症などでは、正常な思考ができないためです。

妄想や幻聴などにより、ゴミを捨てようとする人に敵意を抱くこともあります。相手がキレてしまうと、殴られるなど物理的にも危険です。

トラブルを避けたいなら、相手が怒るようなことはせず、行政に任せましょう。

行政の力を借りるのがオススメ

個人で解決できないゴミ屋敷の問題は、行政に相談してみましょう。最近では、ゴミ屋敷に対する条例が定められているところもあり、窓口に相談すれば解決できる可能性があります。

自治体に窓口がない場合、消防や警察への相談も検討しましょう。消防署でも放火の危険性がありそうな住宅は見回りをしてくれる可能性があり、警察は近隣に迷惑行為をしている家があるときに役立ちます。

自治体への相談

基本的には、ゴミ屋敷のことは自治体へ相談しましょう。中には積極的にゴミ屋敷対策をしている地域もあり、行政の担当者が住人にゴミを片付けるよう指導してくれます。

しかし、最初のうちは強制的なものではないため、必ずすぐに片付くわけではありません。何度も説明し、周囲の迷惑になっていることを伝えても改善が見られない場合は、強制的に処分するように動いてもらいましょう。

ただ、判断は自治体が下すため、近所の住民が勝手に処分はできません。気をつけましょう。

ゴミ屋敷対策条例が適用されるケースがある

ゴミ屋敷対策条例が適用されるようなひどい状態なら、強制的にゴミを処分できる可能性があります。

特に家の外にはみ出しているようなものは、住人の財産とは言えません。公共の道路にゴミが溜まっているときは、比較的早く処分が可能なこともあるため、相談してみましょう。

消防や警察への相談も検討

消防署も、放火の危険がありそうな家には注意を促してくれます。強制力はありませんが、消防署から危険性があることを伝えれば、住人自身が家を片付けようと考えてくれることもあるでしょう。

また、警察へも相談は可能です。ゴミ屋敷が原因で周りが迷惑している場合は、住人に注意をしてくれます。ただし、基本的には個人間のトラブルとなるため、積極的に介入してくれるわけではありません。

まとめ

ゴミ屋敷に住む人は、周囲から孤立して人とかかわらない生活をしている可能性があります。孤立感を深めることで、普通では考えられないようなゴミを溜めてしまうのではないでしょうか。

孤独感から物に囲まれたいと感じてしまうと、ゴミを収集してしまうことがあります。精神的な疾患が原因の場合もあるため、サポートできる場合は改善の可能性もあるでしょう。

近隣にゴミ屋敷がありどのような人が住んでいるかわからないなら、まずは自治体への相談が大切です。

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