ゴミ屋敷からの引越しは不要物の処分が課題。生活の立て直しと注意点

なかなかゴミ屋敷状態を解消できない人は、思い切って引越ししてみてはいかがでしょうか。引越しすればゴミや不用品と縁が切れるうえ、新しい生活に仕切りなおすことができます。ゴミ屋敷からの引越しのポイントと、注意点を紹介します。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

ゴミ屋敷から引越しするメリット

家がゴミ屋敷化した場合、引越しという思い切った手段を取るのも有効です。ゴミ屋敷から引越しをすると、どんなメリットがあるのでしょうか。

生活をゼロからやり直す

引っ越し最大のメリットは、新しい場所で新しい生活を始められることでしょう。ゴミが溜りすぎてゴミ屋敷化した家をもとの状態に戻すには、大変な労力が必要となります。

ところが引越しをすれば、すぐにもきれいな家に暮らすことが可能です。ゴミに溢れた部屋をきれいな状態に戻すよりは、ゴミのないきれいで清潔な部屋に引っ越した方が手っ取り早く、生活のやり直しも容易でしょう。

不要物の処分と引越しを一度にできる

引越し先までわざわざゴミを持っていきたい人はいません。そこら中に散乱しているゴミは必然的に処分しなければならないため、引越し=不要物の処分となります。

ゴミに囲まれて暮らしていると、ゴミなのか必要な物なのか分からなくなっている場合がほとんどです。引越しはこのようにごちゃまぜになった物を仕分ける絶好のチャンスとなります。所持品を1つ1つ手に取って『要・不要』を見直せば、不要物を一気に処分できるでしょう。

最大の課題はゴミの処分

ゴミ屋敷からの引越しで、最も労力を使うのがゴミの処分です。ゴミ屋敷では大量のゴミが予想されるため、場合によっては業者の力を借りねばならないでしょう。ゴミ屋敷のゴミ処分はどのように進めていけばよいのでしょうか。

ゴミや不要物はすべて捨てる必要がある

まず始めにとりかかるべきは、ゴミや不要物の処分です。必要な物よりもゴミの方が多いゴミ屋敷なら、目に付く物はとりあえずゴミ袋に入れていきましょう。引越しでは、新居に持っていく物の量で値段が大きく変わります。新居に必要ないゴミや不要物を徹底的に処分すれば、引越し費用を抑えることも可能です。

ゴミの量によっては自力では困難

ある程度のゴミ屋敷なら自力でゴミ処分することも可能ですが、生活に支障をきたすほどゴミがあるなら、自力での片付けは困難かもしれません。特にソファやタンスといった粗大ゴミは、1人での持ち出しは不可能でしょう。

また、ゴミの量は普通でも、引越しまでの日数が少なければ自力でのゴミ処分は困難になります。ゴミを出せる日は決まっているため、タイミングが悪ければゴミの処分ができません。

特殊清掃が必要な場合もある

生ゴミなど湿ったゴミが多く、悪臭や害虫も発生している場合は特殊清掃が必要です。生ゴミを長く放置していた場合、臭いや汚れが床や壁に染み付きます。これを通常の掃除で落とすのは困難なため、専門業者の力を借りる必要があるでしょう。

また、害虫は掃除や片付けの大きな障害となります。ゴミを動かすたびに害虫が動き回れば、掃除をすることもできません。自力ではどうしようもないと感じたら、速やかに特殊清掃業者に連絡し、掃除や害虫駆除をお願いすることをおすすめします。

ゴミ屋敷からの引越しを依頼できる業者

ゴミ屋敷からの引越しは、通常の引越しよりもハードルが高くなります。一般的な引越し業者に依頼すると、ゴミ屋敷であるとバレた時点でお断りされるケースもあり、業者選びは慎重に行わねばなりません。

ゴミ屋敷から引越しする際は、どのような業者に依頼すればよいのでしょうか。

掃除と引越しを同時にできる業者がオススメ

ゴミ屋敷からの引越しでは、ゴミ屋敷の掃除と引越し作業を同時にしてくれる業者を探しましょう。

片付け業者の中には、引越しから不用品の回収、掃除までを一気に行ってくれる業者があります。ただし、業者によっては家具など大きなものは引き取ってくれなかったり、リサイクル家電は除外されたりするかもしれません。業者の『片付け』にはどこまでが含まれるのかを、事前にきちんと確認しておくことが重要です。

引越し専門業者からは断られる可能性あり

ゴミ屋敷は通常の引越しよりも手間暇がかかるため、忌避する業者が多いようです。

繁忙期など、引越し業者は1日にいくつもの現場を回らなければなりません。ゴミ屋敷で時間を取られると後のスケジュールが押してしまうため、ゴミの量や汚さで『無理』と判断されれば、たとえ当日でも断られてしまうのです。

当日のドタキャンを防ぐには、依頼時にゴミ屋敷であることを伝えることが重要です。また、口頭ではなく実際に現場を見てもらえば、引越し可能か否かを事前に判断してもらえるでしょう。

複数の業者から見積りを取ろう

引越し前には必ず見積りを取るべきですが、見積もりは複数業者から取ることをおすすめします。1社だけから見積りをとっても、その価格が適正かどうか判断できません。少なくとも3社程度から見積もってもらい、それぞれの内訳を比較するとよいでしょう。

見積りを見るポイントは、総額だけを見ないこと、曖昧な項目がないかを確認することです。見積り金額を『一式』で済ませるような業者は、後々追加費用等を請求してくる恐れがあります。どんな作業にいくらの費用がかかるのかを、細かく提示してくれる業者がよいでしょう。

見積りで不明な点がある場合は、必ず業者に連絡して、クリアにしておく必要があります。ここで応対が悪いなら、それは良い業者とは言えません。すぐに候補リストから外し、他の業者を検討しましょう。

引越し後の注意点

賃貸物件をゴミ屋敷化してしまった場合、思わぬ費用がかかる場合があります。また、引越し後もゴミ屋敷と同じ生活を送っていればリバウンドする可能性も高くなるでしょう。

ゴミ屋敷からの引っ越しで気を付けたいポイントを紹介します。

部屋の清掃と原状回復

ゴミ屋敷の場合、部屋の清掃と原状回復費用が多額になる可能性があります。

普通に暮らしていても部屋は傷み、劣化するため、退去の際は補償金や敷金から修繕費用が賄われます。ところがゴミ屋敷化した部屋の場合、通常の生活では考えられない程の損傷が発生しているかもしれません。敷金や保証金だけでは足りない場合は、改めて修繕費用を請求されるでしょう。

カビや腐敗で多額の請求が来る場合も

部屋をゴミ屋敷化したことで床や壁が傷んでしまった場合、請求金額は100万円を超えるかもしれません。事実、程度の酷いゴミ屋敷は、害虫駆除、壁や天井の補修等で350万円もの修繕費を請求されたというケースがあります。

賃貸物件の場合、構造そのものにダメージを与える等すると、「ゴミ屋敷は自分の部屋だけの問題だ」と言っても済まないケースもあるのです。

新居をゴミ屋敷にしない生活改善

新居をゴミ屋敷にしないようにするには、物の全体量をコントロールし、物を増やさないようにすることが重要です。また、こまめな掃除と片付けを習慣づけることで、汚れがたまりにくく置きっぱなしや脱ぎっ放しのない、すっきりした部屋を維持できるでしょう。

ゴミ屋敷の多くは、物が多すぎることが原因です。収納力以上の物は持たない、物を購入する際は本当に必要かどうか入念に検討するなどして、極力『持たない暮らし』を心がけましょう。

また、こまめな掃除は汚れが溜まるのを防いでくれます。汚れが小さいうちに掃除すればかかる手間や時間は少なくて済むため、負担も感じません。掃除と片付けを習慣づければ、ゴミ屋敷にリバウンドしにくくなるでしょう。

まとめ

ゴミ屋敷から脱出したい人にとって、引越しは大きなチャンスです。新しい家に入れる物を厳密に吟味し、不用品は一気に処分してしまいましょう。

ただし、引越し業者を選ぶ際は、ゴミ屋敷も引き受けてくれるかどうか確認する必要があります。ゴミの処分から清掃までを一手に引き受けてくれる業者を探せば、引越しはぐっと楽になります。

新居に引っ越した後は、ゴミ屋敷時代の生活習慣は改めねばなりません。再び住まいをゴミ屋敷にしないよう、こまめ掃除と片付けを徹底しましょう。

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