ゴミ屋敷は、外から見てもわかるくらいに汚れている家のことです。ゴミ屋敷によって起こる問題や、自力で片付けるための主な手順をまとめています。また、自力で片付ける以外に業者を利用した場合のメリットや費用なども見てみましょう。
ゴミ屋敷とは
『ゴミ屋敷』と呼ばれる家は、外部から見ても明らかにゴミがあふれてしまっている家です。外から見て分からない程度なら『汚部屋』で済みますが、ゴミ屋敷と呼ばれるほど家が汚れてしまうと、周囲にも迷惑がかかっているでしょう。
住人の精神的な問題でゴミ屋敷化することもあり、本人のケアも大切です。それ以外にも、火災や周辺環境の悪化など、さまざまなリスクを抱えています。
外からもゴミが溢れているのがわかる状態
ゴミ屋敷と呼ばれる場合は、すでに外から見てもゴミが見える状態です。家の庭や窓際までゴミで埋まっているような状態であれば、周囲からゴミ屋敷と呼ばれるでしょう。
もしゴミが見えていないとしても、外から見て明らかに汚れていたり、悪臭が漂ってくる場合はゴミ屋敷認定されてしまうかもしれません。
部屋の中がそれほどでなくても、庭に不要物を収集してしまうなら注意が必要です。景観に悪影響を与えるとして、自治体などから注意を受けることも考えられます。
精神的な問題からゴミ屋敷化する場合も
ゴミ屋敷を作り上げてしまうのは、住人の精神的な問題も原因です。寂しさや孤独感から引き起こされるゴミの収集癖や、うつ病などで掃除をする気になれないことも家を汚す原因になってしまいます。
孤独感から精神的に変調をきたしているときは、家族や周囲のケアも大切です。ただ掃除をするだけでなく、本人の気持ちを尊重し、歩み寄れば解決するケースもあります。
うつ病など、ゴミを溜めることとは直接的に関係がない精神的疾患の場合は、医療機関の受診を考えましょう。早く対策をとれば、ゴミ屋敷化が防げることもあります。
多くの問題を引き起こすリスクがある
ゴミ屋敷は家が汚いだけでなく、さまざまな問題を引き起こします。たとえば、近くにゴミ屋敷があるというだけで周辺の地価が下がってしまう可能性もあり、住人だけの問題ではありません。
害虫や害獣が周囲にも住処を広げると、近隣の家に住んでいる人まで迷惑を被ります。悪臭がすれば、穏やかに暮らすことすらできないかもしれません。
その他にも、ゴミに対する放火や不法投棄など、ゴミが溜まっていることで犯罪のリスクも増加します。
自力でゴミ屋敷を片付ける3ステップ
自力でゴミ屋敷を片付けるには、ゴミの処分、清掃、整理整頓の3段階で進めていきましょう。もちろんゴミが多い場合は引き取ってくれる業者を探したり、掃除道具を準備したりなど細々した作業は追加されます。
普通の家の掃除と大きな違いはありませんが、ゴミや不要物が多い分時間がかかると考えておきましょう。もちろん、ゴミには処分費用もかかります。
ゴミや不要な物を処分
ゴミ屋敷を片付けるには、とにかくゴミを捨てなければいけません。ゴミが溜まっているからあふれているのであり、まずは捨ててからでなければ掃除は進みません。
大型の物や大量のゴミを処分するには、業者に引取を依頼した方がスムーズです。自治体にも依頼できますが、指定日に指定場所へ運ぶ必要があります。
もし、実家など自分の家以外を片付けるなら、先にゴミと不要物を捨ててもいいか同意を得てからにしましょう。ゴミを溜めている人は、不要な物と認識していないかもしれません。
勝手に捨ててしまうと、余計に関係がこじれてしまうかもしれません。まずは説得し、一部だけでも処分できれば片付けが進むでしょう。
室内の清掃
ゴミと不要物が処分できたら、次は室内の清掃です。家具などに溜まったホコリを落とし、床は掃除機をかけます。
室内の清掃は、いらない物をすべて捨ててから始めましょう。ゴミや不要物が置かれたままだと、捨ててからまた掃除をしなければなりません。
ゴミがあった部分が、ひどく汚れているケースもあります。もしゴミを捨ててから床が汚れていたら、汚れ落としの洗剤やブラシなどを使い、きれいに拭き掃除をすれば完了です。
必要な物を整理整頓
部屋がきれいになったら、とりあえず箱や収納に入れておいた必要なものを片付けます。取り出しやすくしまいやすい場所に整理整頓できれば、今後も片付けが楽になるでしょう。使う頻度の高いものは、すぐに取り出せる手前に片付けます。
また、使う場所も注意しましょう。台所で使うものは台所へ、リビングで使うものはリビングへ片付けます。使用するのに遠い所にあると、片付けるのが面倒になってしまい、どうしても散らかりやすくなるためです。ほぼ使わないものは、奥の方や押入れ、物置などにしまいましょう。
自力で片付ける際の注意点
自力で片付けるときは、いくつか注意点があります。ゴミの処分を行うなら自治体に依頼することになりますが、原則大型ゴミも自分で運ばなければなりません。
解体や持ち運びの際に、怪我のリスクもあります。また、ゴミ屋敷にはダニなどの見えない害虫がいることも多く、個人では対策が難しいことが現状です。
ゴミの処分
自治体にゴミの処分を依頼すると、指定日に家の外まで運ぶよう指示されます。タンスや大型家電など、運べないサイズの物は、別途手伝いの手配も必要です。
自治体によっては、高齢者や女性のために家から運ぶサービスを用意しているところもありますが、あくまでも一部です。基本的には自力で運ばなければいけません。
また、自治体が回収していない家電やゴミについては、回収業者に依頼しましょう。
怪我のリスクもある
大型家電やタンスを階段から降ろしているときに落ちてしまうなど、怪我のリスクも考えられます。掃除をしているだけでも、ゴミに埋まっていたガラスの破片を踏むなど、普通の家では考えられない物が出てくるケースがあるでしょう。
とにかくゴミが多いので、処分するだけでも大変です。大型家具や物置の解体が必要になれば、余計に怪我のリスクは上がるでしょう。
見えない害虫対策
目に見える害虫は、比較的簡単に対策や駆除が可能です。しかし、ゴミだらけの部屋にはダニなどの見えない害虫もいます。
寝具や家具、必要な物にも害虫が付着している可能性があるため、燻煙剤などを使って対策しましょう。
ダニがわきやすい布製品などは捨ててしまうか、乾燥機などの熱で殺虫するのもおすすめです。自力での対策には限界もあるため、不安な場合は業者に依頼する方法もあります。
業者の活用もオススメ
自力でゴミ屋敷を片付けたい人でも、ある程度は業者を活用するとスムーズです。特に大型ゴミの引取や、害虫対策はプロに任せたほうがリスクも軽減します。
費用は自力で片付けるよりも上がりますが、その分メリットも多く魅力的です。もちろん、掃除も業者に依頼できます。
ゴミ屋敷掃除業者のメリット
ゴミ屋敷掃除業者を利用すると、自分で掃除する必要がありません。大きなゴミも、すべて業者が運び出してくれます。労力がほとんどいらないため、自力では掃除が難しい高齢者や大型ゴミを運べない女性などでも、手早く片付けを済ませることが可能です。
また、プロに任せると時間がかからないことも魅力です。通常、ゴミ屋敷と呼ばれるほどの家を片付けるにはかなり時間を要します。状態によってはプロでも数日かけて作業を進めていくため、一般人では余計に時間がかかるでしょう。
ただでさえ、掃除ができないためにゴミ屋敷化しているのですから、本人が自力で片付けを進めようとすると数日では済みません。途中でやる気を失ってしまう可能性もあるので、業者に依頼することも検討してみましょう。
費用はどのくらい?
ゴミ処理や掃除を業者に依頼すると、部屋の状態や業者にもよりますが1部屋で5~10万円程度が相場です。ワンルームなら5万円で片付く可能性がありますが、複数の部屋がありすべてがゴミで埋もれているような場合は数十万円かかると考えておきましょう。
また、大型のゴミが多い場合は、掃除の人件費以外にゴミ処理料金が追加されるため別途費用がかかることを覚えておきましょう。
まとめ
ゴミ屋敷には多くの問題があり、早い段階で掃除をすることが大切です。自力で片付けようと考えている場合は通常の掃除と同様に、不要な物を処分して清掃し、その後必要な物を収納しましょう。
自分では手に負えないときや、怪我のリスクを減らしたいなら業者を利用するのもおすすめです。