ゴミ屋敷での暮らしは子供への悪影響大。虐待の一種かも

家族で暮らしている場合、子供もゴミ屋敷に住むことになります。小さいうちからゴミに囲まれて暮らすことの問題点や、周囲が助けるにはどうすればよいのでしょうか。大人とは違い、子供にとってゴミの多い環境は悪影響です。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

ゴミ屋敷で暮らす子供への影響

家族で暮らしている家がゴミ屋敷だった場合、子供への影響も心配です。特に、精神的な問題や、健康被害も考えられます。また、不潔な格好や異臭などで、いじめにつながることもあるでしょう。

片付けの方法がわからず、大人になってもゴミ屋敷から脱出できない可能性もあります。

心身への健康被害

小さい子供がゴミの中で暮らしていると、心身への影響も計り知れません。あまりにも小さい頃からゴミに埋もれていると、それが普通だと勘違いしてしまうこともあります。

ネガティブな気持ちになるだけでなく、虫に刺されたりアレルギーに悩まされたりと、さまざまな健康被害も考えられるでしょう。

友達からのいじめのリスク

家がゴミ屋敷だと、周囲からいじめの標的になることも考えられます。ゴミだらけの家に暮らしていると、どうしても服や本人にもニオイがつきやすいためです。お風呂にも入れないようだと、体臭でからかわれることもあります。

不潔な格好をしているばかりに、いじめられることになれば問題です。大人の場合は遠慮して注意しない人もいますが、子どもははっきり汚いものは汚いと伝えてしまうでしょう。子供の心に傷が残ることにもなりかねません。

片付けの習慣がつかない

そもそも、ずっとゴミの中で暮らしていると、正常な感覚が麻痺してしまいます。片付けることが一度もなければ、片付け方もわかりません。

大人になったとき、一般的な掃除の頻度がわからず、片付けの習慣がなければ周囲とトラブルを起こす可能性もあるでしょう。誰かとの共同生活だけではなく、一人暮らしの家をゴミ屋敷にしてしまう可能性もゼロではないでしょう。

片付けができない理由は?

片付けができないのは、多忙で時間が取れない、または精神的な疾患を持っているケースが挙げられます。

時間が取れない人は、余裕さえ生まれれば片付けることもできるでしょう。しかし、精神疾患や発達障害の場合は問題です。本人に片付ける気持ちがあってもうまくいきません。

多忙で片付ける余裕がない

多忙で片付ける余裕がないときでも、少しの時間を掃除にあてることで解決できます。毎日5分でも掃除の時間を作り、ゴミ出しだけでも行くようにすればゴミ屋敷からは脱出の一歩を踏み出せます。

また、どうしても時間が取れないなら、少し働き方を見直すことも考えましょう。勤務先が遠すぎるなら近くで仕事を探す、激務で時間が取れないなら勤務時間を減らす方法を考えるなど、まずは精神的な余裕を作り、掃除に割く時間を少しでも確保することです。

精神疾患を患っているケースもある

何らかの精神疾患で、片付けができないケースもあります。子どもがいる家庭でよくあるケースは、親がうつ病になってしまったり、発達障害だったりするケースです。

うつ病になると何もやる気がなくなり、掃除もできなくなります。場合によっては、子供の世話も満足にできない人もいるでしょう。

発達障害の場合、他の家事に問題がなくても掃除や片付けがうまくいきません。集中力が続かずどこに何を片付けていいかわからない、または忘れてしまう人が多く、片付け自体が難しいでしょう。親が発達障害の場合は、周囲のサポートも必要でしょう。

子供部屋がゴミ屋敷状態で悩む親もいる

いくら家を片付けても、子供部屋がすぐにゴミ屋敷状態になってしまい悩む親もいます。この場合、子供自身に片付けの習慣が身についていないことが問題です。

子供自身にやる気がなく片付けられない場合、親がいくら片付けてもきりがありません。状態によっては発達障害など病気の可能性もあるため、一度医療機関への相談も検討しましょう。

片付けやゴミ捨てができない

片付けやゴミ出しができないと、すぐに部屋は汚くなってしまいます。掃除が苦手な人は一定数いますが、最低限片付けられるよう一緒に考えていきましょう。小さいときに掃除の習慣が作れれば、大人になってからも役立ちます。

本当に小さいうちは、子供も判断がつかないため仕方がないですが、話してわかるようになれば、一緒に掃除をするなどして習慣づけましょう。

発達障害の可能性も

いくら説明しても掃除ができない場合は、発達障害の可能性もあります。

ひとつのことに集中できない子供や、物を正しい場所に片付けられないなど気になる症状があれば、医療機関へ相談しましょう。発達障害の場合は、障害に合わせた掃除の仕方を考えることが大切です。

細かく分類できないなら、とりあえず大きな箱に入れるだけなど、部屋が散らからない工夫をしましょう。長い時間集中できないなら、時間を短く区切って掃除に取り組むこともおすすめです。

ゴミ屋敷での子育ては虐待かも

ゴミ屋敷で育児をしているのは、虐待の一種とも考えられます。子供を育てる環境を整えず、放置しているならネグレクトの一種と捉えられる可能性もあるでしょう。

不潔な場所で暮らすと、健康状態にも影響を与えます。成長の遅れや皮膚病、感染症のリスクも高まります。

ネグレクトの一種

ネグレクトは、『育児放棄』のことです。部屋が汚いからといって、育児はきちんとやっていると考える人もいるでしょう。

しかし、ゴミの中で子供を育てること自体が、ネグレクトと認識されるケースがあります。食事の用意や洗濯、風呂に入れて清潔にするなど基本的なことさえできていなければ虐待と捉えられてしまうでしょう。

子供は環境を選べません。親が片付けなければ、片付け方もわからず汚い場所で暮らすしかなくなります。

子供の成長に悪影響

不潔な場所で過ごすと、心身に悪影響を与える可能性があります。特に小さい子供は抵抗力も弱く、ゴミだらけの場所では病気に罹りやすくなってしまうでしょう。

また、皮膚のアレルギーや呼吸器疾患などに悩まされることも考えられます。ゴミ屋敷が子供の成長に与える悪影響は計り知れません。

周囲の人が助ける手段はある?

もし、ゴミ屋敷で子どもが暮らしている場合、周囲の人にもできることはあります。たとえば、学校や児童相談所などに相談すれば、何らかの措置をとってくれるでしょう。

単に家が汚い程度では何もしてくれないと考えるかもしれませんが、育児放棄や虐待が疑われる場合は、学校や自治体も放置できません。

いつも汚い服を着ている、お風呂に入っていない様子など気になる兆候があれば、対応する窓口に相談してみましょう。

学校から確認をしてもらう

子供が通っている学校がわかれば、学校から保護者に確認してもらうことができます。

学校であれば、家庭訪問など家の状態を知る機会も多いでしょう。実際に子供に問題があるほどの家なのか、学校側で直接の確認をしてもらえます。

児童相談所への通報も検討

家の汚さだけでなく、服や本人の健康状態に問題がありそうなら、児童相談所への通告も検討しましょう。あまりにもひどい場合は、虐待と扱うことで、相談所の権限で保護ができます。

家族との関係や本人の希望なども考慮されますが、子どもがゴミ屋敷を嫌がっているなら助けられる可能性も高いでしょう。

まとめ

子供がゴミ屋敷で暮らしている場合、いじめのリスクや健康状態に不安もあります。場合によっては虐待が疑われることもあり、周囲の注意が必要です。

もし近くのゴミ屋敷に子供が住んでいるようなら、学校や児童相談所に助けてもらうこともできます。すべてが保護の対象になるとは限りませんが、ネグレクトなど重大な問題が隠れているかもしれません。心配であれば、まずは相談してみましょう。

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