汚部屋は赤ちゃんへの悪影響大。衛生的な環境を保って安全に

部屋が汚いということは、赤ちゃんの事故や怪我のリスクが大きくなるということです。汚部屋が赤ちゃんに与える悪影響やリスクを知れば、片付けの重要性がわかるでしょう。汚部屋による悪影響のほか、片付け手順や綺麗な状態を保つコツも併せて紹介します。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

汚部屋は赤ちゃんの健康に最悪

『汚部屋』と呼びたくなるほどの汚い部屋は、赤ちゃんにとっては最悪の環境です。免疫力の弱い赤ちゃんにとって、汚い部屋はどんなリスクがあるのでしょうか。

ホコリなどハウスダストの影響

汚部屋に舞うハウスダストは、アトピー性皮膚炎やぜんそくを引き起こす原因となります。

ハウスダストとは、肉眼では見えないような小さなホコリのことです。繊維くず、花粉、細菌、ダニの死骸や糞など様々なものが混じっており、吸引し続ければ、様々なアレルギー症状の原因となります。

通常のハウスダスト1gの中には、ダニ約2000匹、黒カビ約3万個、細菌約800万個が潜んでいるそうです。汚部屋と呼ばれるほどの汚い部屋ならより多くのダニやホコリが溜まっていることが考えられ、ハウスダスト吸引によるアレルギーリスクは、通常の部屋より高いと考えられるでしょう。

害虫被害

部屋の衛生状態が悪いと、害虫も発生しやすくなります。物が床に散らばっていたり、換気が悪く部屋がじめじめしていたりするなら注意が必要です。

掃除をしない部屋に現れる害虫といえば、ゴキブリ、ハエ、ダニなどが挙げられます。なかでもゴキブリは見た目の不快さ、病原菌やウイルスを媒介する危険さから、害虫の中の害虫と言っても過言ではありません。ゴキブリが媒介する赤痢菌、サルモネラ菌、小児麻痺ウィルスなどは、免疫力の弱い赤ちゃんにとって、大きな脅威となるでしょう。

また、害虫そのものに触れることがなくとも、その死骸や糞は、ハウスダストとなって空中に散乱します。これらは前述のとおり様々なアレルギー症状を引き起こすことが懸念されるため、部屋に害虫が存在するだけで、赤ちゃんへの悪影響は必至です。

誤飲や怪我のリスクもアップ

家庭内における赤ちゃんの死亡事故の多くは、誤飲によるものというのはご存知でしょうか。赤ちゃんは生後5カ月を過ぎた頃から首が座りはじめ、自分で手を伸ばしたり動いたりできるようになります。この頃に赤ちゃんの周りに不要な物があれば、飲み込んだりぶつかったりして事故や怪我が起こりやすくなるのです。

赤ちゃんが物を口に入れるのは、人間の成長過程にとっては必要であり、本能的な学習行為とも言われており避けられません。ところが、物の整理が出来ていなかったり危険な物が落ちたりしている汚部屋では、五感で物事を感じようとする赤ちゃんの行動そのものが『危険な行為』となります。

『赤ちゃんの手の届くところに物は置かない』などの対策が取れない汚部屋の場合、通常では考えられないような事故も発生するかもしれません。

赤ちゃんを迎える前に部屋を片付けよう

汚部屋は、赤ちゃんが生まれてからでは片付けにくくなります。これから赤ちゃんを迎える人は、赤ちゃんが来る前に環境を整えておいてあげましょう。というのも、産後に部屋を片付けようとしても、できる時間は少ないからです。

これから赤ちゃんを迎える人が、なるべく早く汚部屋を片付けた方がよい理由を紹介します。

産まれた後は体力がない

産後は、女性ホルモンの乱れ、睡眠不足、育児ストレス、さらには授乳による栄養不足などがまとめて襲い掛かってくるため、女性にとってはつらい時期です。このように肉体的・精神的に負担が大きい時期に、あえて「汚部屋を片付けよう」などと考える人はいないでしょう。

出産を終えた女性が妊娠前の体力に戻るには、約1年かかると言われています。妊娠前から体力がなかったり高齢出産だったりした人は、回復までさらに多くの時間がかかるでしょう。「産後の汚部屋の片付けはほぼ不可能」と考えて、事前に片付け計画を立てておくのが無難です。

赤ちゃん用の物が増える

部屋に赤ちゃんが来れば、赤ちゃんのお世話グッズ、さらにはベビーベッドなども用意しなければなりません。赤ちゃん関連の物は豊富にストックしておかねばならないため増えやすく、汚部屋はますます雑然とした印象になるでしょう。

汚部屋を片付けるには不要な物を減らし、部屋にある物の総量を少なくすることが重要です。しかし、赤ちゃんに必要な物は全て揃えておく必要もあり、汚部屋全体の物はさらに増加してしまいます。赤ちゃんが大きくなるまでは物の処分もできないため、大量の赤ちゃんグッズで、さらに汚部屋化が止まらなくなるかもしれません。

汚部屋片付けの手順

赤ちゃんが気持ちよく過ごせるよう、赤ちゃんを迎える前に汚部屋を綺麗に片付けてしまいましょう。

ただし、汚部屋と化した部屋の場合、やみくもに片付けてもうまくいきません。効率よく部屋を片付けるには、片付けの順番が重要です。汚部屋を綺麗にするには、どのような手順で片付ければよいのでしょうか。

不要なものの処分と整理整頓

汚部屋の原因の多くは、不要な物が増えすぎてしまったために起こります。片付けにはまず、こうした不要な物を徹底して処分することから始めましょう。

手順としては、迷うことなくゴミと判断できるものをひたすらゴミ袋に放り込み、物の全体量を減らします。途中、判断に迷う物は保留して構いませんが、「まだ使えるかも」と考えると、先に進みません。今まで放置されていた物は『不要』と考えて、処分することをおすすめします。

こうして必要な物だけが残れば、後は整理整頓して収納するだけです。ただし、ここで適当に収納すると汚部屋にリバウンドするおそれがあるため、注意しましょう。物を収納する際は使う頻度に合わせて物に居場所を与えることが重要です。『片付けやすい収納場所』を考えて整理整頓すれば、散らかりにくい部屋になるでしょう。

全体を清掃する

整理整頓のあとは、部屋全体を清掃して終わりです。ただし効率的に終わらせるには、清掃の順番を守ることが大切です。

まず覚えておきたいのが、掃除の基本は『上から下』ということです。まずは上部分のホコリやゴミを下に落として掃除すれば、掃除は一度で済みます。上のゴミも下のゴミも、一気に集めてしまいましょう。

さらに掃除では、『奥から手前』も重要なポイントです。床面の掃除は入口から遠い奥から始めて、入口付近で終わるようにします。こうすれば綺麗になった場所を再び踏み荒らすおそれはありません。

このほかにも、洗剤を使った拭き掃除なら『下から上』、汚れを取るなら『軽い汚れからひどい汚れ』、と効率的な掃除には順番があります。まずは頭でシミュレーションをしてから掃除に取り組めば、無駄な動きなくスムーズな掃除ができるでしょう。

片付けしやすい部屋づくりをしよう

汚部屋が綺麗になったら、片付けやすさを重視して部屋のレイアウトや収納を考えてみましょう。

赤ちゃんが快適に過ごすには、前述のとおり『すぐに片付けられる部屋』でなければなりません。片付けしやすい部屋にするためのポイントを紹介します。

平面をキレイに保つ

もともと平面だった場所に『置きっぱなし』の物が多いと、部屋がすっきり見えません。

ソファの上、テーブルの上、靴箱の上などに、不要な物を置いていませんか?自分でなくても家族が置いてしまう、という人は、周辺に収納スペースを設けるとよいでしょう。

例えば、大小大きさの違うカゴなどを置き、その中に物を入れてもらえば、パッと見がごちゃごちゃしません。サイズごとに入れるものを決めておけば中身の見当が付きやすく、物が迷子になるのも防げるでしょう。

収納を工夫する

散らかりにくい部屋にするには、動線を考えた収納が重要です。

よく使う物は手の届きやすい場所にまとめ、使用頻度の低い物を出し入れしにくい場所に置くとよいでしょう。よく使うのにしまいにくい場所に収納すると、出しっぱなしや置きっぱなしの原因となります。出しっぱなしや置きっぱなしは汚部屋化の第1歩のため、これを阻止することは重要です。

キレイな部屋を保つコツ

赤ちゃんが暮らす部屋なら、衛生状態には気をつかいたいものです。とはいえ産後はまとまった掃除時間を取るのも困難なため、掃除時間の確保は難しい問題となるでしょう。

赤ちゃんがいても、綺麗な部屋を保つにはどうすればよいのでしょうか。

スキマ時間を見つけて清掃

汚れが溜まると掃除は面倒ですが、小さな汚れはわずかな時間で綺麗になります。赤ちゃんの世話で時間を取られる産後は、スキマ時間を見つけてこまめに清掃するとよいでしょう。

洗剤を使わずに掃除できるマルチクロスや水だけで水回りを掃除できるメラミンスポンジは、スキマ時間の掃除にぴったりなお助けグッズです。1回5~10分の掃除でも十分綺麗になるので、『ちょこちょこ清掃』をしてみてはいかがでしょうか。

掃除の予定を決めて習慣化

掃除が嫌いでやる気が起きないという人は、掃除時間や日にちを固定してしまいましょう。わずかな時間でも定期的に掃除すれば、汚れが溜まるのは防げます。

始めは苦痛に感じるかもしれませんが、掃除が習慣化し、「綺麗な部屋は心地よい」と分かれば、赤ちゃんのためにも綺麗な状態をキープしたいと思えるようになるでしょう。

まとめ

汚部屋に暮らすことは、大人より赤ちゃんにとって、より負担が大きくなります。アレルゲン豊富で事故や怪我のおそれがある汚部屋は、赤ちゃんを育てるのに適した環境とは言えないでしょう。

汚部屋の片付けでは、徹底して物を処分し、効率よく掃除を進めなければなりません。体力が衰えがちな産後を赤ちゃんとのんびりと過ごせるよう、今から汚部屋の片付けにとりかかってはいかがでしょうか。

 

Nコラムでは、NIPT(新型出生前診断)に関する情報や妊娠出産のアドバイス、子育ての仕方などおすすめの情報をお届けしています。赤ちゃんについてはこちらのメディアを参考にしてみてください。Nコラム
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次