遺品整理にまつわるトラブルが増加中。いざという時の注意ポイント

遺品整理の際にどのようなトラブルが起こりやすいのでしょうか。相続関係や、業者に依頼したときに起こりやすい問題などをそれぞれ紹介しています。実際に起こっているトラブル事例や、問題を避けるための方法も見てみましょう。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

遺品整理時のトラブルは多い

遺品整理には、トラブルがつきものです。高齢化や核家族化が進んだことで、業者に遺品整理を依頼することが増えたのも原因です。以前まではそれほど多くの人が遺品整理を依頼していなかったため、トラブルも相対的に増えています。

また、身内を亡くしたばかりはしっかり考えがまとまらないでしょう。悪徳業者であることに気づかないまま、依頼してしまうケースもう増えています。

なるべく複数の業者を比較し、きちんと対応してくれる業者を選ぶことが大切です。

高齢化と核家族化で遺品整理需要が急増

高齢化が進み、核家族が増えたことで遺品整理の機会も多くなっています。昔は誰かが亡くなっても家族全員で遺品の整理ができましたが、家族の人数が少ないので時間を取るのも難しくなりました。

また、遺品整理には時間もかかります。高齢になってから配偶者が亡くなると、自分では体力・気力の面で遺品整理ができなくなっていしまうこともあります。

急な対応になるため、しっかり考えられない

亡くなる前から遺品整理について考えている人は少数です。本人が遺族のことを考えて整理しているなら簡単ですが、そうでない場合が多く、どんな遺産があるのかわからない状態のときもあります。

ただでさえしなければならない手続きが多いので、遺品のことまで気が回りません。早く作業を進めようとするあまり、とりあえず来てもらった業者に依頼してトラブルになることも考えられます。

遺品整理業者は資格が必要なわけではなく、あくまでも遺族のサポートをする役割です。優良業者を短期間で探すのは難しく、料金面やサービス面でトラブルになることも多いでしょう。

遺族間でのトラブル

遺品整理業者にかかわるトラブルではなく、遺族同士でトラブルになることも多いでしょう。

まずは早めに遺族間で話し合いを行い、問題がなければ遺品整理を始めるなど意思疎通を図っておくことが大切でしょう。

相続に関するトラブル

遺品整理は、単に亡くなった人の荷物を整理するだけではありません。価値のある物も含まれるため、相続に関するトラブルも起こります。

よくあるトラブルが、誰がどの遺品を相続するかです。どの遺品が大切なのかは個人の考え方によって変わります。亡くなった人がブランド品を集めているなど、価値のある物を多く遺していると問題になりやすいでしょう。

現金化して分ける方法もありますが、趣味の品などの価値はなかなかわかりません。また、家などの不動産や保険証券、投資商品なども遺品に含まれます。

相談なく遺品を処分する

相続人が1人の場合は大きな問題になりませんが、複数人が相続対象になるとトラブルに発展しやすくなります。

特に相続人全員の同意を得ず、勝手に遺品を処分してしまうなど、自分は必要ないと考えていても、ある相続人にとってはどうしても欲しいものだったとトラブルになりやすいでしょう。

遺品を整理する前に、遺族間で同意を得ておくことも考えましょう。後からトラブルになることを避けるには、遺品を相続したい人が集まれる日に整理を始めることです。

遺品整理業者とのトラブル

遺品業者とのトラブルが起こる原因として、急激な需要の増加で会社が乱立したことが挙げられます。中には悪徳業者も紛れ込んでいるため、注意が必要です。

すぐに遺品整理を始めたい場合でも、見積もりを取る際にいくつかの業者を指定すれば、トラブルを酒らます。

需要の高まりで業者が増加

昔は家族間で解決していた遺品整理を業者に任せることが増え、いろいろな遺品整理業者が生まれました。

中には資格もなく、ただ荷物整理の手伝いと家庭ゴミの廃棄を担当するような業者もいます。特に資格もなく初めているので、本格的なサービスを期待しているとトラブルに巻き込まれることがあります。

悪徳業者も紛れ込んでいる

単に資格がなくほとんど何もできない業者だけでなく、高額な料金を請求したり遺品を不法投棄するなどのトラブルも発生します。

悪徳業者に依頼してしまうと、自分も法律違反などに巻き込まれる可能性があるため慎重に選びましょう。

悪徳業者が紛れ込んでいたとしても、多くの業者は普通の遺品整理業者です。必ずいくつかの業者に見積りを取るようにし、内容の確認を取ることが大切です。

業者とのトラブル事例

業者とのトラブル事例として、最初の見積りと異なる高額請求を要求されたり、価値のある物品を相場より安く買取されるなど金銭的な問題が挙げられます。

また、適当な業者とのに任せると、必要な権利書などを誤って捨てられるだけでなく、遺品の盗難にあうケースもよくあるトラブルです。

なかなか気づかない問題としては、回収したはずのゴミが不法投棄されることもあります。悪徳業者に依頼してしまうと、避けられるトラブルに振り回されることになりかねません。

トラブルを避けるためにできること

トラブルを避けるには、事前の相談や専門家への確認などが大切です。また、業者とのやり取りを記録に残しておくことも役立つでしょう。

まずは、大切な人が亡くなる前に遺品整理について考えることも検討しましょう。

いざという時のことを事前相談しておく

亡くなるだけでなく、病気などで突然身内が何らかの処理をしなければならないケースがあります。

そんなとき、保険証券の場所や、通帳・印鑑などの貴重品のありかが分からなければ、大変です。迷惑をかけないためにも、家族間でいざというときのことを話し合っておきましょう。

亡くなる前から遺産のことを話すのは抵抗がある人も多いですが、早めの相談がトラブルを防ぎます。

弁護士など専門家へ相談する

弁護士などの専門家に相談すれば、悪徳業者に騙された場合でも解決が可能です。ただし状況によってはお金が戻ってこないことや、法律違反として罰を与えられることも考えられます。

何かおかしいと感じたら、早めに弁護士や専門家へ相談しておきましょう。明らかにおかしい場合、アドバイスによって騙されずに済むこともあります。

記録を残す

物品の盗難や適当な作業をされないために、部屋の状態を写真や動画などで撮影しておくことも有効です。記録を残していることは、業者側にも伝えておくほうがトラブル防止になるでしょう。

あまり細かくチェックしなくても、記録を残していることが示せれば大丈夫です。きちんと状況を把握している依頼者に対して、業者側もトラブルを起こさないよう気をつけるようになるでしょう。

まとめ

遺品整理では、トラブルが報告されています。以前は身内でやっていた内容を業者に依頼することで、料金面やサービス面での齟齬により、問題も多発します。

単にサービスが悪いだけではなく、悪徳業者に騙されると予想外の請求や不法投棄などリスクも高くなるでしょう。

急に遺品整理の必要が出ると慌ててしまいがちですが、普段からいざという場合の想定をしておくことが肝心です。遺族がトラブルに巻き込まれない仕組みを作っておきましょう。

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