遺品整理は100万円もかかる!?悪質な業者を見分けるポイントを解説

遺品整理で100万円もの費用がかかることに驚かれるかもしれませんが、実際にはそのようなケースが存在します。

本記事では、遺品整理の料金相場や、悪徳業者を見抜くポイント、適切な業者の選び方について解説しています。

適正な価格で信頼できるサービスを受けるための知識を身につけましょう。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

遺品整理で100万円もの金額がかかるケース

遺品整理が100万円にも上るケースは、一見驚きかもしれませんが、実際には特定の条件下でこのような高額が発生することがあります。主に大きな家や多くの遺品、特殊な状況が関与しています。

遺品整理が高額になる具体的な条件

遺品整理の費用が100万円に達する主な条件には、以下のようなものがあります:

  • 間取りが広い家屋: 広い家では、単純に遺品の量が多くなりがちで、それに伴い作業員の人数や作業時間が増加します。
  • 特殊清掃が必要な場合: 孤独死や長期間放置された部屋など、特殊清掃が必要な状況は、通常の整理作業よりも高額な費用がかかることが一般的です。
  • 価値あるアイテムの査定と処理: アンティークや芸術品など、特別な取り扱いや専門知識が必要なアイテムが多い場合、それらの適切な評価と処理には追加の費用が発生します。

悪徳業者による不正請求の実例

遺品整理の高額請求が不当である場合もあります。

例えば、必要な物まで処分されるケースがあります。

母が亡くなったので遺品を処分するために、インターネットで探した事業者3社から見積もりをとった。一番安い事業者に依頼し、2カ月前に作業員3人に作業してもらった。その場で自分が不要か必要か判断して近くにいた作業員に指示を出し、2トントラック3往復分の遺品を運び出してもらったが、翌日ラジカセがないことに気がついた。その後もDVDプレーヤー、ゲーム機、布団、辞書がないことが分かった。これらは自分の物で、遺品と分けて事業者に処分しないように指示したものであるが、誤って別の作業員が運び出したようだ。作業も遺品を乱暴に扱うなど雑であった。どうにかして取り戻したい。
(2017年10月受付、50歳代、男性、無職、愛知県)

https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180719_1.pdf

また、見積もり後に追加で費用を要求する「後出しジャンケン」のような行為も悪徳業者の特徴です。

一人暮らしをしていた母が亡くなり、実家の遺品整理のため、インターネットで検索した事業者に電話して見積もりに来てもらった。見積金額は141,000円で、その内訳はスタッフ4人の人件費が76,000円、2トントラック1台25,000円、トラック1台分の廃棄物処理代4万円だった。他社との見積もりと比較して、この事業者に作業を依頼し、昨日作業に立ち会った。事業者はトラック1台分の荷物を積み込むと、4万円を先払いしてもらわないと廃棄物処理ができないと言うので現金で4万円を支払った。その後も荷物の処理のため、3往復し、その都度4万円を支払ったが、時間内に作業が終わらず荷物はまだ残っている。事業者から請求された金額は32万円で、当日持ち合わせていた20万円を現金で支払ったが、残金12万円を請求されている。見積もりの際、廃棄する荷物が多ければ追加費用が発生するという説明は聞いていない。見積書にもその記載はなく、契約書もない。残った荷物を廃棄して、見積金額以上の金額を返してほしい。
(2018年2月受付、60歳代、女性、給与生活者、滋賀県)

https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180719_1.pdf

消費者が業者の見積もりや提案内容を十分に理解せずに契約を進めた結果、適正価格を大幅に超える料金を支払うケースが報告されています。

高額請求されやすい人の特徴とは?

遺品整理で高額請求を受けやすい人には共通の特徴があります。これらの特徴を知ることで、自身が過剰な費用負担を避けるための対策を講じることができます。

料金相場を知らない人

料金相場を知らない人は、遺品整理業者からの提示される金額をそのまま受け入れがちです。相場がわからないため、本来必要のない追加費用や高額なサービスに同意してしまうことがあります。

  • 理由: 遺品整理は多くの人にとっては生涯で数回経験するかどうかの少ないイベントであり、市場の相場を把握しにくい。
  • 対策: 相場を知るためには、複数の業者から見積もりを取ることが効果的です。インターネットでの情報収集や口コミも参考になります。

感情的になりやすい人

大切な人を失った直後に遺品整理を行う場合、感情的になりがちで判断力が鈍ることがあります。この状態で遺品整理業者との交渉に臨むと、不利な契約を結んでしまうリスクが高まります。

  • 理由: 悲しみやストレスは冷静な判断を難しくさせるため、業者の提案に対して十分な検討を行うことができなくなる。
  • 対策: 感情的になりやすい場合は、信頼できる家族や友人、場合によっては専門家に同席を求めることで、よりバランスの取れた判断が可能です。

見積もりを断りづらい人

断ることが苦手な人は、業者による積極的な営業に対して容易に同意してしまいがちです。高額なサービスに同意してしまった後で後悔することが多いです。

  • 理由: 見積もりを断ることに罪悪感を感じるため、不要なサービスであっても受け入れてしまう。
  • 対策: 契約を急がされたときは、一度時間をとって考えることを伝える。不安な点があれば、他の業者と比較検討を行うことが重要です。

遺品整理の料金相場について

遺品整理の料金相場を知ることは、適正なサービスを選択し、不当な高額請求を避ける上で非常に重要です。料金は遺品の量、清掃の難易度、必要なサービスの種類によって大きく変わります。

遺品整理の基本的な費用

遺品整理の基本的な費用は、部屋の大きさや遺品の量によって異なりますが、一般的には以下のような範囲で設定されています:

  • 1R・1K: 約30,000円から80,000円
  • 1DK: 約50,000円から120,000円
  • 2DK以上: 約90,000円から300,000円以上

これらの料金には、遺品の仕分け、簡易な清掃、ゴミの搬出が含まれていますが、場所によっては交通費や追加の手数料が必要になることもあります。料金の違いは、アクセスの容易さや作業員の人数、必要な機材の違いによるものです。

特殊清掃や供養にかかる追加料金

特殊清掃や供養など、標準的な遺品整理サービスに含まれない追加オプションも多く、これらは追加料金が発生します:

  • 特殊清掃: 不衛生や異常な状態で発見された遺体の場合、広範囲の消毒や臭いの除去が必要とされ、これには数万円から100万円以上かかることもあります。
  • 供養: 遺品の供養や祭祀を行う場合、3,000円から数万円の費用が発生することが一般的です。この費用には、僧侶へのお布施や式の手配が含まれます。

これらの追加料金は、サービスの内容や依頼する業者によって大きく異なりますので、事前にしっかりと見積もりを取得し、何が含まれているのかを明確にしておくことが重要です。

悪徳業者を見抜くポイント

遺品整理業者を選ぶ際、信頼できるサービスを提供する業者と悪徳業者を区別することは非常に重要です。不正な高額請求を避け、安心してサービスを受けるための具体的なポイントを以下に紹介します。

見積もりを複数業者から取る

複数の業者から見積もりを取ることは、料金相場を理解し、適正価格でサービスを受けるための最も効果的な方法です。複数の見積もりを比較することで、各業者の提案内容と価格を検討できます。

なぜなら、一つの見積もりのみで決定すると、市場価格よりも高い料金を支払うリスクがあります。複数の業者を比較することで、そのようなリスクを低減できます。

見積もりは最低でも三つの異なる業者から取得し、それぞれのサービス内容とコストを詳細に比較検討しましょう。

追加料金の有無を確認する

追加料金が発生する可能性がある点を明確にすることは、後から予想外の請求に驚かされないために重要です。契約前に全ての費用を明確にして、隠れた追加料金がないかを確認する必要があります。

なぜなら、悪徳業者はしばしば見積もりに含まれていない追加料金を後から請求することがあります。これを防ぐためには、初めの見積もりで全費用を確認することが必要です。

契約を結ぶ前に、追加料金の詳細を書面で確認し、どのような条件で追加費用が発生するのかを業者に説明させましょう。

業者の資格や実績をチェックする

業者の資格や過去の実績を確認することで、その業者の信頼性を判断することができます。実績豊富で資格を持つ業者を選ぶことが、安心してサービスを受けるための鍵です。

なぜなら、資格がある業者はその分野の知識や技術を認められており、適切なサービスを提供する可能性が高いです。また、過去の顧客からのレビューや評判も業者選びの重要な手がかりになります。

業者を選ぶ際は、必要な資格を持っているか、以前の顧客からのポジティブなフィードバックが多いかを確認しましょう。また、可能であれば実際にその業者が行った遺品整理の事例を見せてもらうことも有効です。

遺品整理を成功させるコツ

遺品整理を成功させるためには、適切な業者選びと事前準備が重要です。これにより、スムーズで心に負担の少ない遺品整理が可能になります。

遺品整理業者の選び方

適切な遺品整理業者を選ぶためには、以下の点を考慮することが重要です:

  • 業者の評判: オンラインのレビューや評価、口コミをチェックし、他の利用者の経験を参考にします。
  • サービスの内容: 提供されるサービスが遺品整理の要望に合致しているかを確認します。特殊清掃や不用品の買取、供養サービスが含まれているかも重要です。
  • 透明性: 費用の明瞭さや、契約条件の明確さを評価します。隠れた追加料金がないかも確認します。

これらを基に選ぶことで、後悔のない業者選びが可能です。業者選びの際は、できれば複数の業者を比較し、それぞれから具体的なサービス内容と見積もりを取ることが望ましいです。

無料見積もりを活用する

無料見積もりを活用することは、遺品整理プロジェクトを計画する上で非常に有効です。見積もりを通じて、以下の利点が得られます:

  • 費用の把握: 複数の業者から見積もりを取ることで、相場感を把握しやすくなります。
  • サービス内容の比較: 異なる業者が提供するサービスの範囲や質を比較することができます。
  • 予算の調整: 見積もりに基づき、必要なサービスと予算を照らし合わせて最適なプランを選べます。

見積もりは、遺品整理の全体的な計画を立てる上での基盤となるため、各業者に詳細な情報を提供し、可能な限り正確な見積もりを求めることが重要です。このプロセスを通じて、遺品整理をより効果的かつ効率的に進めることが可能になります。

まとめ

  • 複数の業者から見積もりを取得して料金相場を確認する。
  • 遺品整理に必要なサービス内容と追加料金の有無を明確にする。
  • 業者の資格や実績、口コミをチェックし、信頼性を評価する。
  • 無料見積もりを利用して、予算内で最適なプランを選択する。

遺品整理を成功させるためには、適切な業者選びが非常に重要です。料金相場を把握し、サービス内容を比較することで、不正な高額請求を避けつつ、必要なサービスを適正な価格で受けることが可能になります。

信頼できる業者を選び、計画的に遺品整理を進めることで、スムーズで心に負担の少ないプロセスを実現できます。

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