遺品整理業の仕事内容。依頼者の気持ちに寄り添った対応が必要

遺品整理の仕事内容は、遺品の仕分けだけではありません。特殊清掃や遺族対応など、さまざまな作業があります。遺品整理の仕事を始めたいときの主な方法や、仕事内容についてまとめました。また、必要な資格があるのかも紹介しています。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

遺品整理業の仕事内容

遺品整理業の仕事内容は、亡くなった人が住んでいた部屋の清掃や荷物の整理です。亡くなってからしばらく発見されないような場合の特殊清掃を依頼されることもあります。

室内の掃除はもちろん、人が亡くなったことで汚れてしまった場合も遺品整理業者の仕事です。身内が孤独死したなど特殊な事情の場合は、遺品整理業者に依頼することでスムーズに片付けが終わります。

亡くなった人の部屋や荷物の整理

亡くなった人の部屋には、生活に必要な家具や荷物が残されています。そのままにしておくわけにはいかないため、使わないものは処分します。

売却予定のない持ち家ならしばらく放置していても問題ありませんが、賃貸物件や売却を考えている家なら早めの作業が大切です。荷物を置いている間は賃貸物件の退去ができず、家賃が発生してしまいます。

持ち家でも、早く売却して現金化しようと考えているときは放置できません。遺品整理業者は、身内が亡くなって慌ただしくしているときに活躍します。

特殊清掃を行う場合もある

遺品整理業では、特殊清掃を行うケースもあります。遺体を放置した場合、床や壁などが汚れることもあるためです。

荷物の整理だけでなく、孤独死や特殊な状況で亡くなったときの汚れをどうにかしたい場合に依頼があります。

長期間遺体が発見されなかったようなケースでは、腐敗が進んでしまい室内の状態も悲惨です。一般の清掃とは異なり、遺体があった部分の消毒や消臭作業、虫が湧いてしまったときは害虫駆除などもしなければなりません。

遺品整理業を始めたい場合は、特殊清掃に対応できるかどうかも重要な要素です。

開業に必要な資格はある?

遺品整理業を開業するとき、必須の資格は特にありません。近年まで遺品整理は遺族が行うもので、業者に依頼する習慣がなかったことも一因でしょう。

ただし、必須ではなくても、保有していたほうがいい資格はたくさんあります。普通のゴミ処理業者と異なり、身近な人をなくした遺族に寄り添えることが重要視されるためです。

最近では遺品処理業者の注目が高まり、依頼を考えている人も数多くいます。

必須の資格はない

遺品整理業者は、主にゴミ処分や清掃、荷物の仕分けを手伝います。特殊清掃や家庭ゴミ以外の廃棄物を処分するなら資格も必要ですが、担当する業務によって必要な資格も変わります。

遺品整理業者に必須の資格は特に設けられていません。

もし大型ゴミの処分や特殊な業務を依頼するなら、必要な資格を持っているか確認が必要です。たとえば『一般廃棄物収集運搬業許可』などの資格は、一般家庭のゴミ処理を仕事で請け負うなら必ず保有していなければなりません。

仕事に活用できる資格

遺品整理士や遺品整理アドバイザーなど、必須ではないですが、あれば仕事に活用できるものもあります。

遺品整理士は、一般社団法人遺品整理士認定協会が発行している資格です。アドバイザーの資格は、一般社団法人日本遺品整理協会の資格で、それぞれ講習の受け方が異なるため注意しましょう。

遺品整理士への注目が高まっている

近年、遺品整理士への注目が高まっています。依頼する側も、無資格の業者ではなく、きちんと遺品整理の方法や適切なやり方を知っている人に依頼したいと考えるでしょう。

また、近年映画などで取り上げられたこともあり、注目度は年々上昇しています。遺品整理業界で働くなら、取得しておきたい資格でしょう。

遺品整理の仕事はきつい?

遺品整理の仕事にも、大変なことはいろいろあります。

人が亡くなった家を掃除する場合、どうしても精神的にきつくなることがあるでしょう。また、清掃作業は肉体的にもハードです。特殊清掃などが必要な場合は、室内の汚れやニオイなどとも対峙しなければいけません。

また、遺族に対応する場合、大切な人を失った悲しみを抱える人と向き合うので、配慮も欠かせないでしょう。

肉体的、精神的なハードさがある

遺品整理業は、小さい遺品を整理するだけではありません。大型家具の運搬や汚れた室内の清掃も任されるためです。

清掃や運搬には肉体的なハードさがあり、きついと感じる人もいます。また、特殊清掃をしている場合は、別の精神的なきつさもあります。通常の清掃業では、遺体が長く放置されていた部屋に入る機会はほとんどありません。清掃中に気分が落ち込むこともあるでしょう。

遺族対応は配慮が必要

遺族に対応するには、配慮も必要です。身内を亡くしたばかりで、動揺している人もいます。あまりにも事務的に作業を進めると、配慮がないと捉えられるでしょう。反対に踏み込みすぎてもデリカシーがないと感じられます。

感じ方は人それぞれ違うため、遺族の状態や正確に合わせて寄り添うことが大切です。単にゴミの処理や荷物整理の手伝いをしているのとは異なるため、十分な配慮が必要となる仕事です。

遺品整理業の始め方

遺品整理業を始めるには、いくつかの方法があります。まずは独立開業です。また、すでにフランチャイズ化している会社なら、契約して名前を借りることもできます。自分で開業するのではなく会社で働きたいなら、求人に応募します。

独立開業

今まで遺品整理業界で働いていた人が開業する場合、独立する形になります。自分で顧客を集められるなら、一番利益が上がる方法です。

その代わり、顧客が見込めないときにも自分の責任のため、独立開業するなら仕事が定期的に入ってくるかを考えて行動しましょう。

他の遺品整理業とは異なる独自サービスを展開するなど、ニーズに合わせた対応ができれば自分で開業もおすすめです。

フランチャイズ契約

独立開業を目指すのではなく、すでにある会社の名前を借りて仕事を始めるのがフランチャイズ契約です。

名前だけ借りてサービス内容は自分で考えるなど、自由度は契約する会社によって異なります。すでに知られたメジャーな会社の名前が使えるため、顧客を取り込みやすいことが特徴です。

独立開業とは異なり、フランチャイズ契約をした会社に売上の一部を渡すなど、名前を使う代わりに制約もあります。

求人に応募

自分が代表になって遺品整理業を始めたいわけではない場合、会社の求人に応募すれば働くことができます。会社が求めている人材と一致していなければ採用はされませんが、いくつかの求人に応募すれば採用確率も上がるでしょう。

遺品整理業者は通常、人が亡くなるか生前整理を依頼するとき以外に利用しないため、飲食業や接客業のように求人が多いわけではありません。

どうしても遺品整理業界で働きたい場合は、長い目で求人を探すことも大切です。

まとめ

遺品整理業は、特に必須の資格もないので誰でも始められます。ただし顧客の要望に答えるためには、ゴミ処分や特殊な清掃も覚悟しなければなりません。

単なる荷物の仕分けではなく、ゴミ処分や清掃に資格が必要なケースがあります。依頼する側もチェックしておくことが大切ですが、これから遺品整理業者として働くのならば、何の資格があれば有利なのか知っておきましょう。遺品整理士など、必須ではないですが役立つ資格もあるので、調べてみることをおすすめします。

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