特殊清掃員になるには？正社員を目指すための必要免許と向いている人のタイプ

2025年4月8日

特殊清掃員は、事故や事件現場の清掃を担当する重要な職業です。一般的な清掃業務とは異なり、特殊清掃では血液や体液、害虫の駆除など、専門的な知識と技術が必要です。この仕事には、体力や精神力が求められるだけでなく、特定の資格や経験も重要です。

特殊清掃員として働くには、どのようなステップを踏めば良いのか、必要なスキルや資格について詳しく解説します。

本記事の監修者

遺品整理士：目黒大智

一般社団法人遺品整理士認定協会認定遺品整理士（第 IS26076号）年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール

特殊清掃員とはどんな仕事か？

特殊清掃員は、事故や病気などで発生した現場の清掃を専門に行う職業です。特に孤独死や犯罪現場など、通常の清掃では対応できない場合に必要とされます。

特殊清掃員の主な仕事内容と現場での役割

特殊清掃員の主な仕事は、事故や事件があった現場を清掃し、衛生状態を回復させることです。具体的には、血液や体液の除去、臭いの消臭、害虫の駆除などを行います。現場には、不快な状況や危険が伴うこともありますが、清掃を通じて、住環境を元の状態に戻す重要な役割を担っています。

また、清掃後は専門的な消毒作業を行い、感染症のリスクを減らすことも求められます。特殊清掃員は、体力的にも精神的にも大変な仕事であり、状況に応じた柔軟な対応が必要です。

特殊清掃員の業務の流れと求められる対応力

特殊清掃員の業務は、現場に到着した後の準備作業から始まります。最初に、現場を確認し、清掃に必要な道具や薬剤を準備します。次に、現場の安全を確保し、適切な処理方法を決定します。

清掃作業が始まると、血液や体液を専用の方法で取り除き、消臭や消毒を行います。その後、周辺の衛生環境が整ったか確認し、必要に応じて再度の清掃を行います。この仕事には高い対応力が求められます。

現場には予測できない問題も多く発生するため、冷静に判断し、柔軟に対応できる能力が不可欠です。また、精神的な負担が大きいため、ストレス管理も重要です。

特殊清掃員に必要な資格や免許

特殊清掃員として働くためには、特定の資格や免許が求められます。これにより、安全に作業を行い、現場での対応能力を高めることができます。

特殊清掃員として必須の資格と免許

特殊清掃員として必須となる資格は、特に法律で定められたものはありませんが、衛生管理や安全性を高めるためにいくつかの資格が推奨されています。まず、最も基本的な資格は「産業廃棄物収集運搬許可」です。

これは、廃棄物の収集や処理に必要な資格で、特殊清掃の現場でも役立ちます。また、作業中の安全を確保するために「労働安全衛生法」に基づく「安全衛生管理者」や、「毒物劇物取扱者」などの資格もあると、より専門的な作業に対応できるようになります。

これらの資格を取得しておくことで、現場での信頼性が高まり、求人でも有利に働きます。

取得しておくと有利な資格やスキル

特殊清掃員として働くには、いくつかの資格やスキルを持っていると非常に有利になります。まず、清掃業務に関連する「ハウスクリーニング技能士」の資格は、清掃作業の基本的な技術を身につけるために役立ちます。

また、特殊清掃には消臭や消毒作業が含まれるため、「消臭施工士」や「衛生管理者」などの資格があると、さらに専門的な作業を行うことができ、現場での評価も高くなります。

さらに、特殊清掃はチームでの協力が重要な仕事であるため、コミュニケーション能力やストレス耐性も重要なスキルです。こうしたスキルを持っていると、仕事の幅が広がり、キャリアアップにも繋がります。

特殊清掃員の正社員とアルバイトの違い

特殊清掃員の仕事には、正社員とアルバイトの2種類があります。両者には待遇や仕事内容、キャリアパスに違いがあります。

正社員の仕事内容と待遇、キャリアパス

正社員の特殊清掃員は、通常、長期的に企業に所属し、安定した職業生活を送ることができます。正社員としての仕事内容は、現場の清掃業務だけでなく、管理業務や新たな現場の計画立案、スタッフの指導なども含まれます。

また、正社員には、給与の安定性や社会保険、ボーナスなどの福利厚生がつくことが一般的です。さらに、正社員はキャリアパスが開けており、経験を積むことで、現場責任者や管理職への昇進が期待できます。

このような安定した雇用とキャリアアップの機会が、正社員の大きなメリットです。

アルバイトの仕事内容とメリット・デメリット

アルバイトの特殊清掃員は、基本的には現場での清掃作業が主な仕事です。正社員と比べると、管理業務や責任のある仕事は少なく、現場作業に専念することが多いです。

アルバイトのメリットは、柔軟な勤務時間や、特定の時間帯のみ働ける点です。また、未経験者でも始めやすいという利点もあります。ただし、デメリットとしては、正社員と比べて給与が低く、福利厚生が少ない点が挙げられます。

また、長期的なキャリア形成が難しいため、安定した収入やキャリアアップを望む方には向いていない場合もあります。

特殊清掃員の年収と働く環境

特殊清掃員の年収や労働環境は、企業や地域によって異なりますが、全体的な傾向について説明します。

特殊清掃員の平均年収と昇給の実態

特殊清掃員の平均年収は、一般的に300万円から400万円程度です。これは、経験やスキル、働く地域によって異なりますが、未経験からスタートした場合、最初は低めの給与となることが多いです。

しかし、経験を積むことで昇給のチャンスが広がり、現場責任者や管理職などに昇進すれば、年収は500万円以上になることもあります。昇給のペースは企業によって異なりますが、成果や業績に基づいて給与が見直されることが一般的です。また、繁忙期や長期勤務による手当が加算されることもあります。

とはいえ、特殊清掃は体力的・精神的な負担が大きいため、労働環境と給与のバランスを考慮して、就職先を選ぶことが重要です。

勤務時間、休日、労働環境の実情

特殊清掃員の勤務時間は、現場の状況や業務の内容によって異なります。一般的には、朝から夕方までの9時から18時までの勤務が多いですが、事故や事件が発生した場合、急遽対応しなければならないため、夜間や休日に働くこともあります。

また、特殊清掃は予測できない作業が多いため、現場によっては長時間の勤務になることもあります。休日は、労働契約や勤務形態に基づいて決まりますが、一般的には週休2日制が多いです。

しかし、緊急対応が求められることが多いため、休みが不定期になる場合もあります。労働環境としては、体力的に厳しい作業が多く、精神的なストレスも伴うため、メンタル面でのサポートや体調管理が重要です。

特殊清掃員に向いている人のタイプ

特殊清掃員には、特定の性格やスキルが求められます。肉体的・精神的に強い方や覚悟を持った方が向いています。

精神的・肉体的に強い人が求められる理由

特殊清掃員の仕事は、肉体的にも精神的にも非常に厳しいです。現場では、不快な臭いや目を背けたくなるような状況がしばしば発生します。そのため、強い精神力が必要です。

また、清掃作業自体も体力を使うため、体力的にもしっかりしていることが求められます。長時間にわたる重労働や、時には極端に不快な環境で作業をすることもあります。そのため、精神的に落ち着いて冷静に対応できる能力が必要です。

さらに、肉体的な強さは、重い機材を運ぶ作業や、長時間の清掃作業を無理なくこなすために欠かせません。特殊清掃はただの掃除ではなく、非常に大きな負担を伴う仕事であるため、体力と精神力の両方が重要な要素となります。

人命に向き合う覚悟が必要な理由

特殊清掃員は、しばしば命を失った人が関わる現場で作業を行います。特に孤独死や事故死の現場では、その遺体の処理や部屋の清掃が求められるため、亡くなった方の尊厳を守りつつ作業を進める必要があります。

これに対して、人命に向き合う覚悟が必要です。命に関わる現場で作業を行うため、精神的に強い覚悟が必要で、死というものに対する過度な恐怖や感情的な反応を抑え、冷静に対処しなければなりません。

この覚悟を持っていないと、現場での作業を続けることができず、職務を全うするのが難しくなります。また、特殊清掃はただの清掃作業ではなく、人命に関わる大きな責任を伴うため、その責任感を持ち続けることが大切です。

特殊清掃員になるためのステップ

特殊清掃員になるためには、求人情報の探し方や面接の準備など、いくつかのステップを踏む必要があります。

求人情報の探し方と応募のポイント

特殊清掃員の求人情報は、求人サイトやハローワーク、専門の清掃業者のホームページなどで探すことができます。まず、求人サイトでは「特殊清掃」「清掃業務」などのキーワードを使って検索しましょう。

また、清掃業者の求人情報は、企業の公式サイトに掲載されていることもあるので、定期的にチェックすることが大切です。応募の際には、履歴書や職務経歴書をしっかりと準備し、自己PRを明確に伝えましょう。求人情報に記載されている条件をしっかり確認し、特に仕事内容や勤務条件について事前に理解しておくことが大切です。

応募時に注意すべき点は、業務内容が特殊であるため、体力や精神的な強さをアピールすることが求められる点です。応募時には自分がこの仕事に向いていることを伝えることがポイントです。