特殊清掃の注意点を知らないと危険?作業内容とトラブル事例を徹底解説

孤独死や事件現場、ゴミ屋敷などで必要になる「特殊清掃」には、高い専門性と注意が求められます。

この記事では、特殊清掃の作業内容や注意点、実際に起こりやすいトラブル事例までを分かりやすく解説いたします。信頼できる業者を選ぶためのポイントも紹介しますので、依頼を検討されている方はぜひ参考にしてください。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

特殊清掃とは何か

特殊清掃とは、孤独死や事件現場、ゴミ屋敷など、一般の掃除では対応できない場所を専門の技術と装備で清掃する作業のことを指します。

特殊清掃が必要になる主なケース

特殊清掃が必要になるのは、通常の掃除では対応できない深刻な状態の現場です。特に多いのが、孤独死や自殺、事故死などで人が亡くなった部屋です。時間が経つと体液や臭いが床や壁に染み込み、通常の清掃では除去できません。

また、ゴミ屋敷やペットの多頭飼育崩壊も対象になります。これらのケースでは、害虫やカビ、感染症のリスクもあるため、専門知識を持った清掃業者の対応が必要です。

例えば、孤独死の現場では防護服や特殊な薬剤を使って、安全かつ衛生的に作業を行います。このように、特殊清掃は見た目だけでなく健康や安全にも大きく関わる重要な作業です。

一般清掃との違いと専門性について

特殊清掃は、一般的な日常清掃とは大きく異なります。日常清掃はホコリや汚れを取り除く作業が中心ですが、特殊清掃は、腐敗した体液や強い悪臭、有害物質などを専門的に除去する必要があります。

たとえば、孤独死の現場では細菌やウイルスが存在する可能性があり、適切な消毒や防護措置が欠かせません。そのため、作業者は「事件現場特殊清掃士」などの資格を持ち、専門的な訓練を受けていることが多いです。

また、オゾン脱臭機やバイオ洗浄剤など、一般家庭にはない専用機材を使用する点も特徴です。このように、特殊清掃は高度な知識と技術を求められる、非常に専門性の高い作業なのです。

特殊清掃の作業内容と注意点

特殊清掃では、事前準備から清掃、消臭、殺菌まで多くの工程があります。作業には高い専門性と注意が必要です。

作業の流れと使用される専用機材

特殊清掃の作業は、現場確認、遺品の整理、汚染物の除去、消臭・除菌、最終確認の順で行われます。まず、現場の状況を詳しく調べてから、遺族の同意のもとに遺品や廃棄物の分別を行います。

その後、体液や血液などが染み込んだ床材や壁材を取り除き、専用の洗剤や薬剤で徹底的に除去します。この際に使用される機材には、オゾン脱臭機、高性能の業務用掃除機、防護服、バイオ洗浄剤などがあります。

特にオゾン脱臭機は、強い臭いを分子レベルで分解するために効果的です。このように、特殊清掃は高度な機材と手順を駆使して、安全かつ確実に現場を原状回復する作業です。

作業前に知っておくべき注意点

特殊清掃を依頼する前には、いくつかの大切な注意点があります。特に重要なのは、作業範囲と費用について事前に明確に確認することです。なぜなら、現場の状態によっては想定外の追加作業が発生する場合があるからです。

たとえば、床下や壁内部まで体液が染み込んでいると、それを取り除くために解体作業が必要になることがあります。また、作業には近隣への配慮も必要です。悪臭や害虫が周囲に広がる恐れがあるため、業者が適切な対策を取るかを事前に確認しましょう。

さらに、遺品整理や重要書類の取り扱いに関しても、依頼者側で立ち合いをすることでトラブル防止につながります。以上の点を理解しておくことで、安心して特殊清掃を依頼できます。

清掃後に行う必要がある処置とは

特殊清掃が完了した後にも、いくつか重要な処置があります。まず、再発防止のための除菌・消臭の確認です。たとえば、臭いが完全に取りきれていないと、近隣トラブルや再施工の原因になります。

業者によっては「消臭保証」をつけている場合もありますので、必ず確認しましょう。次に、清掃によって床や壁の一部を解体した場合、内装の補修が必要になります。これは別業者への依頼が必要になるケースもあるため、費用や工程を事前に把握しておくと安心です。

また、原状回復後の報告書や写真を受け取ることで、後々のトラブル防止にもつながります。このように、清掃が終わっても確認すべき処置が多く、依頼者の対応も重要になります。

特殊清掃に伴う危険とその対策

特殊清掃では、目に見えない危険が多数潜んでいます。健康被害や事故、感染症などを防ぐための正しい対策が必要です。

作業中に起こりうる健康被害や事故

特殊清掃の現場では、健康を害する危険があります。たとえば、腐敗物から発生するガスを吸い込むことで、頭痛や吐き気を起こすことがあります。また、床や家具に染み込んだ体液に触れることで、細菌に感染するおそれもあります。

さらに、片付けの際にガラスや釘などでけがをする事故も報告されています。このようなリスクを避けるためには、しっかりとした事前準備と、専門業者による対応が不可欠です。専門の清掃スタッフは、危険な場所でも安全に作業できるよう訓練を受けており、防護服やマスクなどの装備を使って作業します。

このように、特殊清掃では予想以上の健康被害や事故が起こる可能性があるため、必ず専門業者に依頼することをおすすめします。

防護服や消毒の重要性

特殊清掃では、防護服や消毒の徹底がとても重要です。なぜなら、清掃現場には血液や体液、腐敗物など人体に有害な物質が多く存在するからです。例えば、こうした物質にはウイルスや細菌が含まれている可能性があり、直接触れると感染症のリスクが高まります。

そのため、作業員は防護服・手袋・マスク・ゴーグルなどで体を完全に保護しながら作業を行います。また、作業後には専用の消毒剤で徹底的に除菌を行うことで、細菌や臭いの再発を防ぎます。

防護対策が不十分だと、作業員だけでなく周囲の人にも健康被害が及ぶ危険があるため、非常に重要な工程なのです。このように、特殊清掃には高い衛生管理が求められます。

感染症・害虫など二次被害のリスク

特殊清掃では、感染症や害虫による二次被害が起こるリスクもあります。たとえば、孤独死や腐敗現場では、ウジやゴキブリ、ダニなどが大量に発生することがあります。これらの害虫は細菌を運ぶだけでなく、近隣の住民にも悪影響を及ぼす可能性があります。

また、腐敗した体液や汚物には、B型肝炎ウイルスやノロウイルスなど感染症の原因となる病原体が潜んでいることもあります。適切な清掃と消毒が行われなければ、空気感染や接触感染を引き起こす危険性が高くなります。

そのため、害虫駆除や消毒作業も清掃と同じくらい重要です。こうした二次被害を防ぐためには、専門業者による徹底した対応が不可欠です。

特殊清掃で発生しやすいトラブル事例

特殊清掃では、作業後にトラブルが発生することがあります。料金や作業内容、対応に関する事前確認がとても大切です。

追加費用の請求トラブル

特殊清掃で多いトラブルのひとつが、作業後に追加費用を請求されるケースです。事前に説明のなかった料金を後から請求されると、利用者は驚きと不信感を抱いてしまいます。

たとえば、「想定よりも汚染が広がっていた」という理由で、高額な追加費用を請求されることがあります。このようなトラブルを防ぐためには、依頼前に現地での見積もりをお願いし、見積書に「追加料金が発生する条件」を明記してもらうことが大切です。

また、契約書に記載された作業内容や費用も細かくチェックしましょう。信頼できる業者は、事前説明が丁寧で、作業後の追加請求がないことが多いです。納得のいく清掃をしてもらうには、契約前の確認が何より重要です。

貴重品や遺品の取り扱いミス

特殊清掃の現場では、貴重品や遺品の取り扱いミスが起こることもあります。これは遺族にとって精神的な負担となり、大きなトラブルに発展する場合もあります。たとえば、大切な思い出の品が廃棄されてしまったり、貴重品の紛失が発覚することがあります。

こうした問題を防ぐためには、作業前に「遺品と廃棄物を明確に分けて保管するルール」を業者と共有することが重要です。また、立ち会いが可能であれば、実際に目で確認しながら整理作業を進めるのが安心です。

信頼できる業者は、遺品整理士などの資格を持ち、丁寧に確認作業を行います。事前の打ち合わせと明確なルール決めが、後悔のない清掃につながります。

消臭・除菌の不備によるクレーム

清掃後に「臭いが残っている」「虫が再発した」といったクレームが寄せられることがあります。これは、消臭や除菌の作業が不十分だった場合に起こるトラブルです。たとえば、臭いの元となる箇所の洗浄が甘かったり、必要な薬剤処理が省略されていることが原因です。

こうした問題を防ぐためには、作業前に「どの範囲まで消臭・除菌を行うのか」を明確にしておくことが必要です。また、作業後に確認書や作業報告書を受け取り、作業内容が適切だったかチェックすることも大切です。

消臭には時間がかかる場合もあるため、「即日完了」をうたう業者には注意が必要です。丁寧な業者選びと確認作業で、トラブルを未然に防ぐことができます。

信頼できる特殊清掃業者を選ぶポイント

トラブルを避けるためには、信頼できる特殊清掃業者を選ぶことがとても大切です。実績や対応力をしっかり見極めましょう。

実績・資格・口コミで業者を見極める

特殊清掃業者を選ぶ際は、実績・資格・口コミの3つを確認することが大切です。なぜなら、これらの情報から業者の信頼性が分かるからです。たとえば、長年の経験がある業者は、さまざまな現場に対応してきたノウハウがあります。

また、「事件現場特殊清掃士」や「遺品整理士」などの資格を持つスタッフがいる業者は、専門的な知識を持って作業にあたるため安心です。さらに、Googleの口コミや第三者サイトでの評価をチェックすることで、実際の対応や満足度を知ることができます。

これらを参考にすることで、失敗しない業者選びにつながります。信頼できる業者は、経験・資格・評価がそろっているのが共通点です。

作業内容と費用が明確な見積もりの重要性

見積もりが明確であることは、信頼できる業者を見分ける重要なポイントです。なぜなら、不明確な見積もりは追加費用やトラブルの原因になるからです。たとえば、「現場を見ないまま電話だけで金額を提示する業者」や、「後から追加料金が発生する可能性がある」と説明する業者には注意が必要です。

信頼できる業者は、現地での確認を行い、作業内容・必要な機材・処分費・交通費などすべてを含んだ詳細な見積書を出してくれます。

また、「追加費用が発生する可能性がある場合は、どんなときか」を事前に説明してくれる業者が理想的です。料金トラブルを防ぐためにも、契約前に見積もりの明確さを必ず確認しましょう。

対応の丁寧さと説明力をチェックする

業者選びで見逃せないのが、対応の丁寧さと説明力です。なぜなら、誠実な対応は信頼の証であり、後のトラブル防止にもつながるからです。たとえば、問い合わせ時に質問へ丁寧に答えてくれたり、不安な点を分かりやすく説明してくれる業者は、現場でもしっかり対応してくれる可能性が高いです。

また、専門用語を避けて中学生にも分かるように説明できる業者は、知識だけでなくお客様目線の対応を大切にしているといえます。逆に、質問に対して曖昧な返答をする業者や、強引な営業をするところは避けた方が無難です。最初のやりとりの印象は非常に重要ですので、信頼できるかどうかをしっかり見極めましょう。

特殊清掃を依頼する際の手順と注意点

特殊清掃をスムーズに進めるためには、正しい依頼手順と契約前の確認が欠かせません。準備次第でトラブルを防げます。

依頼までの流れと事前確認事項

特殊清掃を依頼するには、正しい手順を理解しておくことが大切です。まずは、信頼できる業者をインターネットや紹介で探します。その後、電話やメールで問い合わせをして、現地での見積もりを依頼します。

この時点で、作業内容・料金・作業日時の希望をしっかり伝えておくことが重要です。現地調査では、臭いや汚れの範囲、清掃に必要な日数や人員なども確認されます。見積書を受け取ったら、費用や対応範囲に不明点がないかを必ずチェックしましょう。

また、遺品や貴重品の取り扱いについても事前に相談しておくと安心です。このように、準備を丁寧に行うことで、安心して作業を任せることができます。

契約時に確認すべきポイント

特殊清掃を依頼する際の契約では、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。まず、見積書と契約書の内容が一致しているかをしっかりチェックしましょう。とくに、料金の内訳や「追加費用が発生する場合の条件」が明記されているかが大切です。

また、作業内容の範囲や日程、使用する薬剤・機材の情報なども、事前に確認しておくと安心です。さらに、「キャンセル時の対応」「作業後の報告書の有無」「消臭保証の有無」なども確認しておくべきポイントです。

信頼できる業者は、こうした内容を丁寧に説明してくれます。契約前に細かい点まで納得しておくことで、トラブルを防ぎ、安心して任せることができます。

まとめ

特殊清掃は、通常の掃除では対応できない現場で行う専門的な作業です。作業中には健康被害や感染症のリスクがあり、適切な知識と装備が必要です。また、業者によっては追加費用やトラブルが発生することもあるため、信頼できる業者を選ぶことがとても大切です。

見積もりや契約内容をしっかり確認し、不明点は事前に相談するようにしましょう。正しい知識と準備で、安全かつ安心な清掃を進めることができます。

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