汚部屋は子供への悪影響大。子供も巻き込んで家をキレイに保とう

「子供がいるから片付かない」と片付けを放棄すると、いわゆる『汚部屋』になります。部屋の汚さは人体に有害ですが、特に子供への悪影響は大きいので注意が必要です。汚部屋のデメリットと、子供と片付けをするメリットを紹介します。

本記事の監修者

遺品整理士:目黒 大智


一般社団法人遺品整理士認定協会 認定遺品整理士(第 IS26076号) 年間1000件以上の不用品回収、遺品整理案件に携わる。「遺品整理・不用品回収の片付け業者 CLEAR-クリア-」代表取締役。詳しいプロフィール
目次

汚部屋問題に悩む子育て家庭は多い

部屋が汚部屋化した人の中には、子育て中で部屋を片付けられないと悩む人もいます。子供がいると部屋が散らかりやすいのは、なぜなのでしょうか。

片付ける余裕がない

子供が小さいうちは子供に手がかかるため、家の片付けにまで気が回らない人は多いでしょう。さらに、母親は育児だけではなく料理や買い物、場合によっては夫の世話もこなさねばなりません。そのうえ、仕事をしている母親ならさらに時間を作るのは難しく、日常生活における片付けの優先順位は下がってしまうのです。

子供の物が増えて片付けの負担増

子供のおもちゃや絵本が増えすぎると、収納しきれずに散乱します。

子供が小さいうちは子供部屋をもうけず、リビングで遊ばせる人は多いのではないでしょうか。リビングと子供スペースを共有すると、子供の持ち込むおもちゃや絵本と生活用品がごちゃまぜになって散らかります。子供の物が増えるほど収納場所がなくなるため、片付けしにくくなるのです。

生活環境は子供への影響が大きい

汚部屋に住む期間が長くなると、子供に与える影響も大きくなります。汚部屋で懸念されるのは、肉体的・精神的な悪影響です。

部屋が汚いことによって、人はどんなダメージを受けるのでしょうか。

アレルギーなど健康への被害

物が散らかったり掃除が滞ったりしている汚部屋ではホコリやカビが多く、ダニやゴキブリなどの害虫もはびこりやすくなります。ホコリと共にダニの死骸や害虫の糞などを『ハウスダスト』として吸い込めば、アレルギー症状を発症することもあるでしょう。

皮膚や目のかゆみ、くしゃみ、鼻づまりなどが頻繁に起こるなら、それがアレルギーのサインです。アレルギー症状は、深刻化すると呼吸困難を起こすなど命にかかわることもあります。症状は突然現れるため、現在何事もないという子供も、安心は出来ないでしょう。

メンタルにも悪影響

不用品やゴミに囲まれた暮らしを続けていると、ストレスホルモンの1つである『コルチゾール』が増加するそうです。汚部屋にいることそのものがストレスとなるため、子供にとって部屋は安らげる場所にはなりません。

また、汚部屋では、欲しい物を見つけることも困難です。『必要な物がすぐに出てこない』ということもストレスとなり、常にイライラしがちな子供になるでしょう。

このような状況が続けば、精神は不安定になり、やがてはうつ病を発症する危険もあります。

子供の友達に敬遠される場合も

知人が汚部屋に住んでいても、大人同士なら敢えてそのことには触れないか、言い方を考えながら話します。しかし、子供同士では汚部屋であることをからかったり、露骨に嫌な顔をしたりすることは多いでしょう。

「あの子は汚いから遊ばない」と言われる可能性も高く、友達から浮いてしまう可能性があります。汚部屋を理由に友達に敬遠され、独りぼっちになってしまうかもしれません。

片付けられない大人になってしまうかも

『子は親を見て育つ』と言われます。そして実際、片付けられない親の元で育てられた子供の多くは、片付けが苦手になりがちです。

汚部屋で育った子供には、どのような傾向が見られるのでしょうか。

整理整頓への意識が育たない

物が散乱し、どこに何があるかわからない暮らしに慣れていれば、『整理整頓』について考えることもありません。子供にとっては部屋が汚い状態が普通のため、「部屋が汚い」「部屋を片付けなければ」とも思わないでしょう。

整理整頓するには、『綺麗に片付いた部屋』のイメージが必要です。しかし、汚部屋に暮らした子供にはそのような部屋を経験したことがないため、整理整頓を意識することは困難になります。

片付け方がわからない

物が散らからないようにするには、物を元あった場所に戻さねばなりません。そのためには、あらゆる物に定位置を決め、片付けやすいようにする必要があります。

汚部屋の暮らしに慣れている子供なら、「どこに物を戻せば綺麗になるか」「どこに収納すると片付くか」の判断ができないため、片付け方が分かりません。

汚部屋にある物のほとんどは定位置がなく、置きっぱなしや脱ぎっぱなしがほとんどです。親が片付け方を教えないなら、子供も置きっぱなしや脱ぎっぱなしに違和感を覚えなくなるでしょう。

自宅をキレイに保つ方法

汚い部屋は子供にとって悪影響しかありません。将来子供が片付けできない人にならないよう、自宅はキレイな状態をキープしたいものです。

「子供がいると、片付けできない」という人は、子供と一緒に自宅の片付けにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

掃除の習慣を持つ

部屋を汚部屋化させないためには、掃除を習慣づけることが重要です。

汚れが小さいうちは、掃除に手間はかかりません。しかし掃除をさぼって汚れが大きくなると、汚れを落とすのは困難です。掃除が大変になれば、やる気が低下し、ますます掃除しなくなります。掃除しない、汚れる、もっと掃除しないという悪循環に陥り、あっという間に深刻化するでしょう。

掃除を習慣づけるには、掃除の時間や曜日を決めてしまうのがベターです。長時間の掃除が負担になる人は、1カ所だけ、短時間だけの掃除と決めるとよいでしょう。

定期的に掃除すれば、部屋は汚れにくく、綺麗な状態を保ちやすくなります。「整理整頓は楽しいね」「気持ちいいね」とアピールしながら掃除すれば、子供も『掃除は気持ちよいものだ』と頭にインプットし、片付けに肯定的なイメージを持ってくれるでしょう。

子供服やおもちゃの整理整頓と処分

子供の物が原因で部屋が散らかるなら、不要な子供服やおもちゃは処分してしまいましょう。サイズアウトした服は状態を吟味し、再利用できそうな物のみを残します。まだ着る服は決まった数だけハンガーにかけ、状態が見えるようにしておくと、無駄に洋服が増えるのを防げます。

また、おもちゃの整理や処分をする際は、子供に『必要かどうか』を決めさせない方がベターです。ほとんどの子供は『要・不要』を感情的に判断するため、不要な物でも残したがります。それに従っていては、いつまでたっても不要なおもちゃは減らないかもしれません。

おもちゃを処分する際は、「要る?要らない?」と聞くのではなく、「どれがお気に入り?」と尋ねることをおすすめします。この時子供がお気に入りとして選ばなかったおもちゃは、子供によく言い聞かせた上で、処分しましょう。

ただし、子供がかなり小さい場合は、お気に入りの判断もできません。普段の様子をよく観察し、親がお気に入りを把握しておきましょう。

子供部屋は子供に片付けさせる

子供部屋は親が片付けるのではなく、基本的に『子供の責任で』片付けてもらいましょう。ただし、いきなり全てを丸投げしても、子供だけでは片付け出来ません。子供が片付けやすいように、親は下準備が必要です。

具体的には、間口の広い収納バケツを用意する、アイテムの収納場所にはラベリングしておくなどしてみてはいかがでしょうか。こうすると片付けのハードルが下がり、子供だけでも判断しやすく片付けに導きやすいでしょう。

片付けしやすい仕組みが整っていれば、未就学児でも1人での片付けは可能です。どこに片付けると綺麗になるか、効率がよいかなど考えながら片付けるため、続けていけば、片付けが上達します。また、「1人でできた」「ママが喜んだ」という経験が自信となり、子供は片付けに積極的に取り組むようになるでしょう。

まとめ

汚部屋での生活が長くなれば、精神的・肉体的なダメージは大きくなります。特に小さな子供がいる人は、深刻な健康被害が懸念されるため、なるべく速やかな改善が望まれるでしょう。

汚部屋しか知らずに育った子供は、将来片付けできない人になるかもしれません。その子に子供が生まれれば、汚部屋は子供の子供にも連鎖します。「物が多いから」「時間がないから」と言わず、子供のために、まずは片付けに取り掛かりましょう。

小さい頃から片付け出来ると、「片付けできた」という自信が自己肯定感を高めてくれます。正しい片付けの習慣は大人になってからも役立つため、親子で楽しく片付けてみてはいかがでしょうか。

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