汚部屋から脱出するには、住処を変えるのも良い方法です。思い切って引っ越しを決めたなら、大量のゴミや不用品を廃棄し、必要な物だけを荷造りをしましょう。汚部屋からの引っ越し手順や業者の選び方のほか、新居を汚部屋化させないコツも紹介します。
引っ越しをキッカケに脱汚部屋を実現

汚部屋暮らしに疲れたら、住まいを変えて汚部屋脱出を図ってみてはいかがでしょうか。引っ越しは手間のかかる作業ですが、うまくすれば汚部屋と縁を切るきっかけになるかもしれません。
片付けのタイムリミットができる
引っ越しには曖昧な日にち設定がありません。引っ越し業者にはピンポイントで日時を指定する必要がありますし、部屋の貸主にも『〇月〇日までには退去する』と通知します。つまり引っ越しをするということは、汚部屋の片付けに明確なタイムリミットができるということなのです。
約束した日までに片付けや引っ越し作業が終わらなければ、業者とトラブルになったり、貸主に違約金が発生したりする可能性があります。退去予定日を過ぎて居座れば延滞料金も発生するでしょうし、「間に合わない」では済まされません。
「○○日までに引っ越さねば、トラブルになる」という意識が強制力となり、片付けの方法や手順を現実的に考えるようになるでしょう。
持ち物を見直すチャンス
引っ越しでは、業者に頼む荷物が少ないほど、コストを抑えられます。汚部屋のごみや不用品を詰め込めば引っ越し費用がかさむため、必然的に『いる』『いらない』の分別を行うようになるでしょう。
汚部屋にあるものすべてを『捨てる』『新居に持っていく』と分ける必要があるため、今まで放置していた物に対しても、「これは本当に必要か?」と見直すようになるのです。
引っ越したい日から逆算して進めよう
荷物をダンボールに詰めていくだけでも1日では終わらないため、汚部屋の引っ越しは、必要な日数を逆算して計画を立てる必要があります。
引っ越しにかかる日数は部屋の大きさや荷物によって異なるため、物が多い汚部屋の場合、引っ越し準備は通常のケースよりも多くの時間がかかるでしょう。
また、不要と判断したゴミは、可燃物収集日や持ち込み可能日以外には処分できません。引っ越しの計画を立てる際は、ゴミの処分日についても逆算して計画し、間に合うようにまとめておかなければならないのです。
片付けと引っ越し準備を並行する

汚部屋住まいの場合は今ある物の大半を捨てていくことになるでしょう。そのため、片付けと引っ越し作業は同時進行で行わねばなりません。汚部屋からの引越しでは、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
ゴミや不要な物を処分
荷造りよりも前に行いたいのが、目に付くゴミや不用品の処分です。「必要」と判断できないものは、どんどん捨てていきましょう。
汚部屋ではゴミや不用品が占める割合は多いでしょうから、これらを先に処分することで続く作業がやりやすくなります。汚部屋の物を大量に持ち込むと、せっかくの新居が汚部屋化するおそれがあるため、「迷ったら捨てる」覚悟で処分するとよいでしょう。
荷造り
荷造りをスムーズに終えるには、作業効率を考えることが重要です。効率の良い荷造り手順については、次を確認しておきましょう。
- 部屋をブロックに分ける
- グループに分ける
- 使う頻度の低いものから荷造りする
部屋のブロック分けは『リビング』『キッチン』などと分けて行います。その後、それらをさらに『クローゼット周辺』『ベッド周辺』など細かくグループに分け、荷造りしましょう。
全て終われば、ブロックとグループをダンボール箱に記入します。こうすれば物が迷子にならず、取り出しは容易です。また荷造りは使用頻度の低い物から箱につめるのが鉄則です。引っ越し直前まで必要な物は、当日にまとめて荷造りするとよいでしょう。
部屋の掃除
退去前の掃除は、敷金の清算にも影響するかもしれません。
敷金とは、部屋の修繕や家賃未払い時など充当されるお金です。入居時にすでに支払っているはずですが、部屋の状況によっては追加請求されたり返還されたりします。
賃貸物件が汚部屋化していた場合、敷金の還付はあまり期待できません。むしろ破損や汚損で追加請求を受けるおそれがあるため、なるべく部屋を綺麗にして退去することをおすすめします。
引っ越し準備で忙しく掃除の時間が取れなかった人は、目につきやすい水回りだけでも綺麗にしておくと、見た目の印象が良くなるでしょう。
準備がはかどらない時の対策

汚部屋からの引っ越しでは、廃棄するゴミや不用品が多かったり、荷造りに時間がかかったりとモチベーションが下がりがちです。
とはいえ、引っ越しにはリミットがありますから、どうにかやる気を出さなければなりません。準備がはかどらない時は、どうすればよいのでしょうか。
ご褒美を用意する
自分へのご褒美は、モチベーションを上げるのに有効です。『このエリアを片付けたら、おいしいスイーツを食べる』など、自分が「嬉しい、楽しい」と思うものを用意してみましょう。
汚部屋の片付け・引っ越しは、気力と体力を消耗します。そんななか気分のあがるご褒美があれば、楽しく片付けを終えられるでしょう。
新居での生活をイメージする
今までため込んできたゴミや不用品と向き合うことに疲れたら、次に引っ越す部屋での生活をイメージしてみましょう。
「かわいい雑貨を入れたい」「北欧風にしたい」など、誰しも新居への期待はあるはずです。汚部屋とは違うクリーンで明るい生活が待っていると思えば、片付けにもやる気がわいてくるのではないでしょうか。
汚部屋を脱出した人のブログを読む
部屋が汚部屋化していると、片付けや引っ越し作業は大変です。「本当に終わるのか」と絶望しそうな時は、汚部屋を脱出できた人のブログをチェックするとよいかもしれません。
現在、汚部屋暮らしからの脱出を試みる人は多く、ブログにも『汚部屋』というカテゴリが存在します。
ここをチェックすれば多くの仲間が見つかり、心強く感じるでしょう。なかには汚部屋を脱出できた人もおり、その様子をブログ内で紹介しています。実際の成功例を見ればやる気も出て、モチベーションもあがるでしょう。
新居を汚部屋にしないことが重要

汚部屋脱出に成功したら、次に注意したいのが『新居を汚部屋化させないこと』です。汚部屋化を防ぐには日々のちょっとした習慣が重要なため、普段から『整理整頓』『掃除』を習慣づけるようにしましょう。
新居の汚部屋化を防ぐためのポイントを紹介します。
すぐ開梱し、整理整頓する
汚部屋からの引越し後にありがちなのが、新居に荷物の入った段ボールを放置して、部屋を物置化してしまうことです。
これを防ぐにはダンボールをすぐに開梱して整理整頓することですが、ここでも注意点があります。それは、ダンボールを片付けたいからと中身を適当に突っ込まないということです。
荷物を段ボールから出すのは大切なことですが、「あとで仕訳けよう」などと考えてはいけません。ほとんどの場合『あとで』のタイミングは来ず、そのスペースはカオス化するでしょう。
物を収納する際は収納場所を決め、整理整頓を徹底します。物の場所をきちんと決めておけば片付けも容易なため、物が散乱するのを防げるでしょう。
掃除の習慣を作る
汚れが溜まるほど、掃除にかかる手間は大きくなります。
新居を綺麗に保ちたいなら、毎日こまめな掃除を心がけ、汚れが小さい内に処理することが重要です。水回りが汚れたらすぐに拭く、トイレに行ったついでに少しだけ掃除するなど、1つ1つにかかる手間はたいしたものではありません。
小さな掃除の積み重ねが、部屋の汚部屋化を防いでくれるでしょう。
業者を選ぶコツ

汚部屋からの引越しはゴミや荷物が多いぶん、通常の引越しよりも費用がかさむケースが散見されます。選ぶ業者によっては汚部屋の引越しを拒否することもあるため、どの業者に依頼するかは重要な問題です。
汚部屋からの引越しでは、どのように業者を選べばよいのでしょうか。
複数の業者から見積りを取る
悪質な業者を排除して良質な業者を選ぶには、複数の業者に見積りを依頼して、相見積りを取ることが重要です。
引越し業者は様々あり、見積もりを取っても同じにはなりません。どの業者が適正でどの業者が悪質化を見分けるには、複数の見積りを比較する必要があるでしょう。
内訳や単価などを細かく比較して、見積もりに納得できる業者を選ぶことをおすすめします。
ゴミの処分を依頼することも可能
汚部屋に住んでいればゴミや不用品が多く、引っ越し前の片付けが憂鬱という人も多いでしょう。特に分別には手間もかかるため、荷造り前に挫折する人もいるのではないでしょうか。
そんな人は、不用品の回収にも対応してくれる引っ越し業者に引っ越しを依頼することをおすすめします。自治体のゴミ回収日以外でも対応してくれるため、いちいちゴミの日を考慮しなくてよいのは大きなメリットです。
ただし、引っ越しとゴミの処分を同時に行う業者は、廃棄物処理の免許も所持していなければなりません。大手の引っ越しサービスならその点の心配は不要でしょうが、小さな業者への免許確認は必須です。悪質な業者はゴミの不法投棄等のトラブルが懸念されるため、注意しましょう。
訪問見積りがオススメ
汚部屋化した部屋を見積もってもらう際は、実際の様子を見てもらった方が正確な金額がわかります。
現地訪問無しで見積もってもらった内容は、必要な料金が含まれず、実際の費用とのブレが大きくなりがちです。事案によっては多額の追加費用も発生するため、予算通りの引越しは難しくなるでしょう。
ところが、業者にしっかり現地を見てもらえば、見積りと実費の誤差は少なくなります。業者も不明な点を確認しながら見積もってくれるので、正確な金額が出せるのです。
訪問見積りは、引越しで不安なことやして欲しいサービス等を業者に伝えるチャンスでもあります。汚部屋を見られるのは嫌だという人は多いでしょうが、スムーズな引越しを目指すなら、ぜひ訪問見積りを取りましょう。
まとめ
汚部屋からの引っ越しは、通常の引っ越しよりも手間がかかります。まずは汚部屋にあるゴミや不用品を処分し、必要な物だけを新居に持ち込むようにしましょう。
また、荷造りやゴミの処分は計画的に行わねばなりません。引っ越し当日になってもゴミが片付かない、荷造りが終わらないということがないよう、引っ越し予定日から逆算して必要日数を割り出すことが重要です。
さらに、業者選定の際は必ず複数社から相見積りをとることを心がけましょう。業者によって提示金額は異なるため、お得な業者を見つけやすくなります。
希望のサービス・料金に適う業者を見つけて、スムーズに汚部屋から脱出しましょう。