遺品整理の中でも「お焚き上げをしたほうがいいのか分からない」「どんな遺品が供養の対象になるのか知りたい」という悩みを持つ方は多くいらっしゃいます。お焚き上げは、故人の想いがこもった品物を丁寧に供養しながら手放すための伝統的な方法ですが、依頼先や費用、手順が分かりにくく不安を感じる方も少なくありません。
本記事では、お焚き上げの基本知識から対象品、費用相場、依頼先の選び方までを分かりやすくまとめています。初めての方でも迷わず進められるよう、実際の流れに沿って解説しますので、遺品整理の判断にぜひお役立てください。
遺品整理におけるお焚き上げと供養の基本

遺品整理では、故人の想いがこもった品物をどのように扱うか悩まれる方が多く、お焚き上げはその中でも代表的な供養方法です。宗教的な意味だけでなく、心理的な区切りをつける儀式としても選ばれています。まずは、お焚き上げの基本と役割を理解することが大切です。
お焚き上げとは?供養として行われる目的と役割
お焚き上げとは、神社や寺院で行われる「炎による供養」のことです。紙・布・木など燃える素材の遺品を清らかな炎で焼却し、天へ還すという意味が込められています。火は古くから「浄化」を象徴するとされ、不要となったものをただ捨てるのではなく「感謝を込めて送り出す」ための大切な儀礼として扱われてきました。
遺品整理の場面では、故人が大切にしていた品物や、思い出の詰まった手紙・写真などを手放す際に選ばれることが多いです。お焚き上げを行うことで、遺族が「丁寧に供養できた」という安心感を得られ、心理的な負担を軽減できる点も大きな役割です。
また、単なる焼却ではなく祈祷や読経などが伴う場合もあり、宗教的な作法に沿って故人の魂をなだめるという意味もあります。遺品への感謝を形として残せるため、節目の行為として選ぶ方が増えています。
遺品整理でお焚き上げが選ばれる背景とメリット
遺品整理でお焚き上げが選ばれる背景には、遺族が「大切なものを粗末に扱いたくない」という強い気持ちがあります。故人が長年愛用した品物は、ただの物ではなく心のつながりを感じる存在のため、一般ごみとして処分することに抵抗を抱く方が多いです。
お焚き上げは、そうした遺族の気持ちに寄り添い、丁寧に供養できる手段として適しています。また、宗教的作法に沿って処分することで、遺族側も「正しい形で供養できた」という安心感を得られます。
さらに、お焚き上げを依頼すれば、神社・寺院や専門業者が適切な方法で処分するため、安全面や法的な問題を心配せずに済むメリットもあります。想いのこもった遺品を丁寧に手放し、心の整理を進める助けになることから、多くの家庭で選ばれている理由となっています。
遺品のお焚き上げは必要?判断するための基準

遺品のお焚き上げは必ず行わなければならないわけではありません。品物の性質や故人の想い、遺族の気持ちを踏まえたうえで判断することが大切です。この章では、お焚き上げが向いている遺品と、一般処分で問題ないケースを分かりやすく解説します。
お焚き上げを選ぶべき遺品の特徴
お焚き上げを選ぶべき遺品には、いくつか共通した特徴があります。まず第一に「故人の強い想いが宿っているもの」です。例えば、いつも身につけていた愛用品、長年大切にしていた愛蔵品、手紙・日記・家族写真のように思い出が深い品物は、一般的な処分方法では心が追いつかないことがあります。
こうした品を炎で浄化し、丁寧に送り出すことで遺族自身の気持ちも整理しやすくなります。次に「宗教的・儀式的な意味を持つもの」もお焚き上げが適しています。仏具、お守り、御札、縁起物などは地域や宗派によって処分方法が決まっていることがあり、神社や寺院に依頼することで安心して供養できます。
また「写真や人形、ぬいぐるみなど“魂が宿る”とされやすい品」もお焚き上げが選ばれる理由です。処分に迷いが残るものほど、お焚き上げによって心の区切りをつけられるメリットがあります。
お焚き上げが不要な遺品と一般処分で問題ないケース
お焚き上げが必須ではない遺品も多くあります。たとえば、家具・家電・衣類・日用品など、故人の思い入れが強くない一般的な生活用品は、通常の不燃ごみ・粗大ごみとして処分して問題ありません。また、金属・プラスチック・ガラス製品は燃焼に適さず、お焚き上げでも受け付けてもらえないことがほとんどです。
これらはリサイクル回収や自治体のルールに従って処分するのが安全です。さらに、故人との関わりが薄い物や、価値が明確で残す必要がない物も無理に供養を選ばなくて大丈夫です。
お焚き上げを行うか迷ったら「故人の想いが強く込められているか」「心理的に一般処分が難しいか」を基準として判断するとスムーズです。必要なものだけを丁寧に供養し、不要なものは通常の方法で処分することで、負担を減らしながら遺品整理を進められます。
お焚き上げできる遺品・できない遺品の分類

遺品にはお焚き上げに適した物と、法律や安全上の理由から受け付けられない物があります。正しく理解しておくことで、依頼時のトラブルや手間を防げます。この章では代表的な品物の分類を分かりやすくまとめます。
お焚き上げの対象となる代表的な品物
お焚き上げの対象になる遺品には、主に「思い入れが強いもの」や「宗教的な意味を持つもの」が挙げられます。まず代表的なのが、人形・ぬいぐるみ・写真・手紙など、故人や家族の想いが深く宿っていると考えられる品です。これらは一般ごみとして処分しようとすると心理的な抵抗が生まれやすく、お焚き上げによって気持ちの整理をつけられることが多いです。
また、お守り・御札(おふだ)・おみくじ・数珠など、寺院や神社に関わる品も、宗教的観点からお焚き上げが望まれるケースが一般的です。さらに、故人が大切に扱っていたアクセサリーや愛用品、手作りの作品なども、遺族の判断で供養を選ぶことがあります。
これらは炎で浄化することで「役目を終えた品を丁寧に送り出す」という意味を持ち、精神的に区切りをつけたい遺族にとって大切な儀式となります。総じて、気持ちの面で一般処分が難しい品ほど、お焚き上げで供養される傾向があります。
法律・安全上の理由でお焚き上げできない品物
お焚き上げに適さない遺品も多く存在し、安全性や法律により断られるケースがあります。まず、大きな家具・家電製品・ガラス製品・金属類など、燃えにくい物や燃焼すると有害物質が出る可能性のある品は原則としてお焚き上げ不可です。これらは寺院や神社でも受け付けておらず、自治体の処分ルールに沿って処理する必要があります。
また、スプレー缶・電池・ライター・化学薬品など爆発や発火のおそれがある危険物も、お焚き上げに出すことはできません。さらに、仏壇や大型の位牌などは一部の寺院で対応可能な場合もありますが、サイズ制限や安全性の観点から断られることも少なくありません。
加えて、プラスチック製品や合成素材の多い人形や造花は、燃焼時に有害ガスが発生するため郵送供養や別の供養方法を勧められるケースがあります。お焚き上げが難しい品は、リサイクル・自治体処分・専門回収サービスを使い分けることで安全かつ適切に処理できます。
遺品のお焚き上げを依頼できる4つの窓口

お焚き上げは、依頼する窓口によって費用や手順、対応できる品物が大きく変わります。ここでは、代表的な4つの依頼先の特徴を分かりやすく整理し、ご家庭の状況に合った選び方ができるようにポイントをまとめています。
神社・寺院に持ち込む、または郵送で依頼する方法
神社や寺院に依頼する方法は、もっとも伝統的で安心感があり、多くの方に選ばれています。まず利点として挙げられるのが、宗教的な儀式に基づいて丁寧に供養してもらえる点です。故人の遺品を聖域で供養してもらうことで、遺族の心が落ち着く場合も多くあります。
また、最近では遠方に住んでいても利用できるよう、郵送供養を受け付ける寺院も増えており、箱に詰めて送るだけで依頼できる便利さがあります。ただし、受け付ける品物には制限があり、可燃素材の小物類が中心です。大型品や家電類は原則不可のため、事前の確認が必要です。
費用は数千円〜数万円が一般的で、寺院の規模や供養内容によって異なります。持ち込みの場合は、供養の日程に合わせて足を運ぶ必要がありますが、郵送を利用すれば時間の自由度は高くなります。宗教的な儀式を重視したい方、遺品への思い入れが強い方に向いている依頼方法です。
遺品整理業者に「整理+供養」をまとめて依頼する
遺品整理業者に依頼すると、遺品の仕分けから処分、そしてお焚き上げまで一括で任せられる点が大きなメリットです。まず効果的なのが、現場で仕分けを行う際に「供養する品」をその場で分けられるため、遺族の負担が大幅に軽くなることです。業者によっては提携している寺院や神社があり、供養証明書を発行してもらえる場合もあります。
これにより、遠方に住んでいる人や忙しい人でも安心して利用できます。さらに、家具・家電などの大型品の搬出も同時に行えるため、一度の依頼で家の片付けを大きく進められる点も特徴です。
ただし、すべての業者が供養に対応しているわけではないため、事前に「お焚き上げ対応の有無」「供養証明書の発行可否」「追加料金の有無」を確認することが重要です。費用は供養費用+作業費となるためやや高くなりますが、労力や時間を節約したい場合には非常に実用的な選択肢です。
お焚き上げ専門業者を利用するメリットと特徴
お焚き上げ専門業者は、遺品や人形、写真、布製品などを専門に供養・焼納するサービスを提供しています。専門業者を利用する最大のメリットは、供養に特化しているため、取り扱い可能な品目が幅広く、柔軟に対応してもらえる点です。特に、寺院では対応しにくいプラスチック素材を含む品や、ぬいぐるみ・衣類・手作り作品などの多様な遺品も受け付けてもらえることがあります。
また、全国対応のため、郵送で簡単に依頼でき、専用ボックスを送ってくれる業者もあります。忙しい遺族でも手軽に利用できるのが魅力です。さらに、動画撮影や供養証明書の発行など「サービスの見える化」に取り組む業者も多く、安心して任せられます。
ただし、寺院での供養とは異なり「宗教色の強さ」が控えめな場合もあるため、宗教儀礼を重視する家庭には向き不向きがあります。費用は品物量によって変動し、3,000円〜30,000円ほどが一般的です。利便性を重視する方にとって最適な選択肢と言えます。
依頼先別に異なるお焚き上げ費用相場

お焚き上げの費用は、依頼する窓口によって大きく異なります。費用の幅やサービス内容を理解しておけば、予算に合った供養方法を選びやすくなります。ここでは、神社・寺院、遺品整理業者、専門業者の3つに分けて相場を解説します。
神社・寺院に依頼する場合の費用目安
神社や寺院への依頼は、もっとも伝統的で精神的な安心感が大きい方法ですが、費用は寺院ごとの「お布施」という形で幅があるのが特徴です。一般的な相場は、品物1点につき3,000円〜10,000円程度で、小物のまとめ供養の場合は5,000円〜20,000円が目安になります。
特に人形供養や写真供養などは多くの寺院で受け付けられているため、比較的依頼しやすい傾向があります。持ち込み供養の場合は交通費のみで済みますが、郵送供養では送料が別途必要です。また、有名寺院や大規模神社では供養料が高めに設定されていることもあります。
注意点として、供養の内容があらかじめ決まっている場合が多く、個別供養を希望する場合には追加料金が発生する可能性があります。費用の基準が明確に掲示されていない寺院もあるため、トラブル防止のためにも事前問い合わせが必須です。宗教的な形式を重視する方に向いた選択肢です。
遺品整理業者に依頼する場合の費用目安
遺品整理業者に依頼する場合、お焚き上げ費用は「供養費用+遺品整理作業費」という形で計上される傾向があります。お焚き上げのみの費用は、小箱サイズで5,000円〜15,000円程度、大箱の場合は10,000円〜30,000円ほどが相場です。遺品整理と同時に依頼する場合は、供養品の量や種類に応じて追加費用が変動するため、見積もり時に必ず確認することが重要です。
また、業者によっては寺院と提携しており、供養証明書を発行してもらえるサービスが含まれている場合もあります。この点は、他の依頼先よりも安心感が高いといえます。遺品整理作業と供養をまとめて行える点は大きなメリットで、手間が大幅に省けるため、遠方に住む家族や忙しい方にも最適です。
ただし、すべての遺品整理業者が供養サービスに対応しているわけではないため、対応可否と追加料金の条件は必ず確認しましょう。総合的に見ると利便性が高い方法です。
お焚き上げ専門業者に依頼する場合の費用目安
お焚き上げ専門業者は、供養サービスに特化しているため料金体系が明確で、種類や量に応じて複数のプランが用意されているのが特徴です。料金の中心は、専用ボックスの大きさ別に設定されており、小サイズで3,000円〜10,000円、中サイズで10,000円〜20,000円、大サイズでは20,000円〜30,000円程度が一般的です。
寺院供養と違い、プラスチックや金属を含む少量の混在物を受け付けてくれる業者もあり、遺族の状況に合わせて柔軟に依頼できる点がメリットです。また、動画撮影や供養証明書の発行といったサービスも選べるため、安心感を得たい方にも適しています。
配送キットを送ってくれる業者も多く、忙しい人でも簡単に利用できます。一方、宗教色が強い儀式を求める場合は、寺院に比べて満足度が異なる場合もあります。利便性と明確な料金設定を重視する方に向いた依頼先です。
遺品のお焚き上げを依頼する手順と注意点

お焚き上げは、適切な手順で進めることでトラブルを防ぎ、安心して供養を行えます。依頼先を決める前の準備から、実際の預け方、供養完了後の確認まで、一つひとつの流れを理解して進めることが大切です。
供養したい遺品を仕分けてリスト化する
供養の流れをスムーズに進めるためには、まず供養したい遺品をきちんと仕分けし、リスト化することが重要です。最初に行うべき理由は、依頼先によって受け付け可能な品物が異なるため、正確なリストがあると問い合わせや見積もりがスムーズに進むためです。具体的には、人形やぬいぐるみ、手紙、写真、故人が大切にしていた小物など「心情的な価値が高い物」を中心に分けます。
さらに、「燃える素材かどうか」「宗教的意味合いがあるか」などの観点で分類すると、依頼先に説明しやすくなります。また、破損している物や素材が混ざっている物は寺院で断られる場合があるため、専門業者に回すか判断する材料になります。
リストは紙やスマホのメモアプリでも構いませんが、品名と簡単な特徴を記載しておくと失敗がありません。遺品が多い場合は、写真を撮ってリストに添えることで確認作業がより正確になります。この作業を丁寧に行うことで、供養後の「預けた物がちゃんと供養されたか」という不安も解消しやすくなります。
依頼先へ問い合わせて受付条件を確認する
お焚き上げを円滑に進めるためには、依頼先へ事前に問い合わせ、受付条件や費用を確認することが不可欠です。問い合わせが重要な理由は、神社・寺院、遺品整理業者、専門業者によって受け付けできる品物、費用、供養方法が大きく異なるためです。まず確認すべきポイントは「受け付け可能な品目」です。
たとえば、寺院ではプラスチックを含む物や大型品は断られることが多いですが、専門業者なら対応できる場合があります。また、「供養方法が合同供養か個別供養か」「供養証明書の発行があるか」といったサービス内容も依頼先によって異なります。
さらに、郵送供養の場合は送料の負担・梱包方法・受付日程など細かいルールを確認しておくことが必要です。料金体系も依頼先によって幅があるため、トラブル防止のために必ず見積もりを取り、追加料金の有無を聞いておきましょう。問い合わせ段階での対応が丁寧かどうかも、信頼できる依頼先を選ぶ判断材料になります。
指定方法で遺品を預け、完了報告を受け取る流れ
依頼先の受付条件を確認したら、案内された方法に従って遺品を預け、供養完了までの流れを把握しておくことが必要です。預け方は、持ち込み・引き取り・郵送のいずれかで、依頼先によって対応方法が異なります。持ち込みの場合は、供養日に合わせて遺品を寺院や神社へ持参し、その場で受付を行います。
郵送供養の場合は、指定の梱包方法に沿って遺品を箱に詰め、送り状や依頼書を同封して発送します。遺品整理業者に依頼した場合は、現場で仕分けされた供養品が一括して預けられるため手間がかかりません。その後、供養が完了すると、供養証明書や写真、動画などで報告してくれる依頼先も多く、安心して任せられる仕組みが整っています。
ただし、報告方法は依頼先により異なるため、事前に確認しておくと安心です。また、供養完了の時期にも差があり、郵送の場合は2週間〜1か月かかることもあります。預けた遺品がきちんと供養されるよう、最後の確認まで丁寧に行うことが大切です。
まとめ
遺品のお焚き上げは、故人の想いを大切にしながら手放すための大切な供養方法です。しかし、依頼先によって受け付けできる品物や費用、供養の方法が大きく異なるため、事前に情報を整理して選ぶことが重要です。まずは供養したい遺品を仕分けてリスト化し、依頼先の受付条件や費用を確認するところから始めると、迷わず進められます。
また、神社・寺院、遺品整理業者、専門業者のどれを選ぶかによってメリットが異なるため、ご自身の状況や希望に合わせて選びましょう。供養後には証明書を発行してもらえる場合もあり、安心して遺品と向き合うことができます。正しい知識を持って進めることで、心の負担を軽くしながら、故人の品物を丁寧に送り出すことができるはずです。







