遺品整理は、故人の思い出の品や荷物を片付ける作業です。業者に依頼する場合や、自力での作業の方法をまとめました。また、相続関係の確認事項にどのくらいの時間がかかるのかなど、これから作業に取りかかる人向けの情報も紹介します。
遺品整理は何をすればいい?

遺品整理で具体的に何をすればいいのか迷っている場合は、まず2つのことを心がけましょう。
基本的に、一般的な片付けと遺品整理に大きな違いはありません。必要なものと不要物に分け、不要物を処分します。遺品でも、誰も使わないようなものは処分しないと先に進めません。大切なものとそうでないものに分けて、整理を進めましょう。
親族がたくさんいればそれぞれに必要と感じるものも異なるため、整理する際は全員の了解を得るようにしましょう。
日程の都合が合わない人も出てくるため、亡くなった人との関係性や、時間を取りやすい人が中心になって進めます。
思い出の品や遺産の仕分け
残しておきたい思い出の品や美術品などと遺産となるものを仕分けしましょう。単なる形見分けのものとは違う、遺産となる通帳や保険証券などは、相続に必要になるので、また別に仕分けをしましょう。
どこにどんなものが入っているかは、住人でないと不明です。面倒でも細かくチェックしていくことが大切です。
不要物の処分
亡くなった人が使っていたものでも、残された親族にとって不要なものはたくさんあります。
洋服や家具など、形見分けとして分けるもの以外は処分を検討しましょう。持ち家の場合は急ぐ必要はありませんが、賃貸物件の場合だと、家具や持ち物を急いで処分しなければ余計に家賃がかかります。
いったん別の場所に移動させる方法もありますが、よほど迷うもの以外は処分してしまったほうが作業もスムーズに進むでしょう。不要物の処分は遺品整理業者やゴミ処理業者、自治体の粗大ゴミなどで対応が可能です。
遺品整理時に注意すること

遺品整理で気をつけなければいけないのが、相続の問題です。全員の同意が得られているなら問題はありませんが、勝手に処分するとのちにトラブルに発展するケースもあります。
たとえば、親が何らかの遺産を持っていると聞いていたのに、いざ遺品整理が終わったら何も出てこなかったとなると問題です。遺品整理を行った人が、何か隠していると疑われる可能性もあります。
問題が起こらないように、なるべく全員の許可を取っておきましょう。連絡がつかず立ち退きの日が迫っているときなどは仕方がありませんが、相続人が納得行く形で整理するのがベストです。
相続に関わる問題の整理
遺品整理の前に、誰がどの遺産を相続するのかはっきりさせておきましょう。相続人が1人の場合や、妻と子供のような場合はそれほど問題ありませんが、相続人が多く、遺産が多いほど問題が出てきます。
遺産の分割は法律でも定められているため、相続に詳しい専門家に相談するなどして、早めに処理を行いましょう。
遺産が現金のみなら分割もそれほど難しくありませんが、家や保険、宝飾品など価値を判断するのに時間がかかるものもあります。
相続人全員の同意を取るのがオススメ
相続人全員の同意を得ておけば、のちにトラブルに発展することも少ないでしょう。他の相続人に同意を得ておけば、処分なども依頼人の判断で対処できます。
あらかじめ連絡を取り、明らかな不用品を処分することを確認しておきましょう。
遺産放棄時の注意事項を確認
遺品整理に手を付ける前に、必ず遺産放棄時の注意事項も確認しておきましょう。
相続放棄した人は、遺品整理にも参加できません。形見分け程度で、価値がそれほど高くない物なら認められることがありますが、処分や価値のある物品の受け取りで遺産放棄できなくなることがあるので、注意深い判断が必要です。
他の相続人にすべてを任せるなど、遺産放棄するときは専門家に相談してからにすることをおすすめします。
遺品整理にかかる時間は?

遺品整理には、それなりの時間がかかります。特に、自力で作業しようと思うと、1日では終わらないでしょう。亡くなった人がどんな環境で過ごしていたかにもよりますが、家が広いほど荷物を仕分けるだけで大変です。
勝手がわかっている自分の家の掃除のようにはいかないため、業者の手を借りたほうが早く終わるかもしれません。
自力では長時間かかる場合が多い
自力で遺品整理をしようと思うと、かなりの時間を要します。一緒に住んでいた人の遺品整理ならまだしも、別居していた場合はさらに問題です。遠方であれば家まで通う必要もあり、移動だけで時間がかかるなど遺族にも負担がかかります。
家が広い場合、大量の粗大ごみが残っていることもあります。生活家電などは、多くの場合ほとんどの家が持っているため譲り受けることも難しいでしょう。
すべて処分することを考えると、運搬だけでも大変です。
ゴミの処分に時間と費用がかかる
ゴミの処分は無料ではありません。時間をかけて仕分けしたあとに、不要物の処分があります。自力で処分するなら、近くのゴミ処理場まで運ぶなど、手間もかかるでしょう。
地域の大型ゴミとして処分する場合でも、自治体の回収日まで待って当日の朝に外まで運ぶ必要があります。
遺品整理専門業者に依頼を検討

遺品整理専門業者に依頼を検討すれば、時間をかけず家の片付けをしてくれるでしょう。
なかなか遺品整理に手をつけられなかった人も、業者が手伝ってくれれば安心です。基本的には支持を出すだけで仕分けや不用品の処分が終わるため、手間もかかりません。
時間がかかることがネックで遺品整理を始められないなら、まずはいくつかの業者に相談してみましょう。
業者に依頼するメリット
業者に依頼すれば、いくつかのメリットがあります。まずは、1日〜数日で仕分けやゴミの処分が終わることです。あまり時間が取れない人でも、休みの日に片付けてしまるくらいの時間で、広い家の片付けが終わります。
遺品整理は、ただ不要物を捨てればいい掃除とは異なり、大切なものや遺産関係の品を仕分けするのが難しいところです。専門業者は今までの経験から、仕分けのコツもわかっており、依頼者の要望も踏まえて作業にあたってくれるので、その点も安心です。
さらに、大型ゴミの処分や、場合によっては特殊清掃など、自分ではできないことでも請け負ってもらえます。
費用はどのくらいかかる?
遺品整理の費用は、家の広さとゴミの多さで料金が変動します。
ワンルームなどの狭い部屋では数万円で済むこともありますが、一軒家のような広い場所なら、20〜30万円程度かかることも一般的と覚えておきましょう。
また、不用品の処分に料金がかかります。特に大型の家具や家電は処分費用が高いため、狭い部屋でも思いの外費用がかさむことがあります。
信頼できる業者の選び方
信頼できる業者を選ぶには、業者が保有している資格を確認し、何社かまとめて見積りを取ることです。見積りでは料金以外にも、対応の内容やサービスを比較します。
遺品整理は家の中の不用品だけでなく、大切な遺産の仕分けも任せるため、信頼できる業者選びが大切です。大切なものを捨てられてしまうことがないよう、遺品整理士の資格を持った業者を選びましょう。
また、ゴミ処理も、処分資格を保有しているかは重要なポイントです。無資格者の場合、不法投棄のリスクも増加するためです。
万が一、不法投棄が発覚すれば、業者だけでなく依頼者にも罰則が課せられる場合があります。対応やサービスなどを比べて、納得できる業者を選びましょう。
まとめ
遺品整理は自力でも可能ですが、時間がかかり、不要物の処分も大変です。業者の力を借りれば、遺族の負担は格段に減ります。
その分、費用もかかりますが、信頼できる業者を選べば、簡単に家が片付きます。単なるゴミ処理業者とは違い、貴重品や大切な遺品の仕分けなども任せられるため安心です。
遺品整理を始める前に、まずは相続関係の問題も解決しておきましょう。