近年、一人暮らしの人の中に汚部屋と呼ばれるほど部屋を散らかしてしまう人が増えています。汚部屋から脱出するには、原因をしっかりと自覚し、改善していく必要があります。今回は、一人暮らしの人が汚部屋を片付けるためのコツや方法をご紹介します。


汚部屋の住人は一人暮らしが多い

足の踏み場もないほどに散らかり、汚れてしまった部屋を『汚部屋』と呼びますが、実はお部屋の住人は一人暮らしの場合が多いのをご存知でしょうか。

一人暮らしでは家に人が来る機会が少ない分、片付けをするタイミングを失いがちです。
また、精神的な問題から片付けができない場合もあります。精神的な問題やストレスが原因で、片付けをする気力がなくなり、より部屋の汚部屋化が進んでしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

以下では、なぜ一人暮らしの人に汚部屋が多いのか、その理由についてご説明します。

片付ける動機がない

一人暮らしの人に汚部屋が多い理由でまず最初に挙げられるのが、片付ける動機がないということです。一人暮らしで家に人が来ることがない場合は、部屋に自分以外の人が入らないため、片付けや掃除をしないというケースが多いと言われています。

一般的に、恋人や友人などが部屋に来る場合は「片付けておかないと恥ずかしい」「相手に失礼だから片付けよう」という気持ちになるものです。しかし、一人暮らしで人が部屋に来ない場合、強制的にでも片付ける動機がないためいつまでも手が回らずに、最終的に汚部屋になってしまいます。

孤独感が強い

一人暮らしの場合、孤独感が強いというのも汚部屋化してしまう理由として考えられます。特に、高齢者や女性の一人暮らしなどで多く見られるのがこのケースで、社会的孤立から人との接触を避け、汚部屋化が悪化してしまうのです。

孤独を感じている人は、うつ病にも似た精神症状を抱えている場合も多く、心にそういった問題があると片付けを出来なくなってしまいます。一人暮らしを始めたばかりの若者や、女性の場合、寂しさを埋めるために買い物に依存してしまい、物が溢れた汚部屋空間で生活することで安堵感を覚えているというケースも少なくありません。

集合住宅の汚部屋は気づかれにくい

マンションやアパートなどの集合住宅の場合、汚部屋になってしまっていても他人から気付かれにくいという点があります。集合住宅は密室のため、ゴミの臭いや部屋の汚れが外からは見えず、他人の目が無いので、より一層汚部屋化が悪化していくのです。

「他人に迷惑をかけたくない」「汚部屋を知られるのが恥ずかしい」という思いから人に打ち明けることができず、汚部屋を片付けられずに困っている一人暮らしの人も多いでしょう。

片付けにかかる時間はどれくらい?

汚部屋を片付けようと思った時、気になるのが「どれくらい大変なのか」という事ではないでしょうか。汚部屋の片付けは、部屋にあるゴミの量によって大きく変動しますが、大体1部屋につき数時間はかかってしまいます。

ゴミ捨てだけでもかなり大変になる場合は、1日ですべて完璧に片付けようとは思わず、1カ所ずつ順番に片付けていくのがおすすめです。

ゴミの量で大きく変わる

汚部屋の片付けは、部屋の中にゴミがどれくらいあるかによって決まります。汚部屋掃除の手順として、まず不要な物や明らかなゴミなどを捨てる作業から始めますが、ゴミが多ければ多いほど労力がかかるでしょう。

どこから片付けをすればいいのか、手を付ける所が分からないという場合は、目についた場所のゴミをまとめる所から始めるのがおすすめです。

数時間は見ておこう

汚部屋のゴミを片付ける場合、時間の目安として、1Rや1Kの場合は1~3時間程度、1DKや1LDKの場合は2~6時間程度、2DKや2LDKの場合は3~8時間程度見ておきましょう。
3DK、4DK以上の広さになると、10時間以上かかるケースもあるため、1日ですべて片付け終えるのは非常に難しいです。

ゴミの量や汚れのレベルによって変動しますが、汚部屋の片付けには最低でも数時間〜半日はかかると考え、まとまった時間で一気に取り掛かりましょう。

片付けを成功させるコツは?

汚部屋を片付けようと思っても、なかなか重い腰が上がらないという方も多いでしょう。本来、片付けというのは面倒な作業ですが、汚部屋掃除ともなると、途方に暮れてしまう人も少なくはありません。
汚部屋の片付けを成功させるためには、モチベーションが下がらないようにすることがコツです。

以下では、汚部屋の片付けを成功させるためのコツについてご紹介します。

友達を呼ぶなどキッカケからやる気を出す

一人暮らしで汚部屋を片付けるモチベーションが上がらないという場合は、友達を呼ぶなどのきっかけを最初に作ってしまう事がおすすめです。汚部屋を人に見られたら恥ずかしいと思う気持ちをモチベーションに変え、自分のやる気を出しましょう。

あらかじめ友達を招待する日にちを決めて、その日までに片付けを終わらせようと計画を立てるのも効果的です。

ブログや掃除前後の比較画像を見る

汚部屋を片付けるモチベーションが下がってしまったら、ブログや掃除前後のビフォーアフター写真などをみてみるのもおすすめです。きれいに片付いた部屋の写真や、汚部屋脱出をした人のブログ、シンプルで清潔な暮らしを紹介しているサイトなどを見てみましょう。きっと「自分の部屋もこれくらいきれいにしたい」と思うはずです。

理想の暮らしや、きれいな部屋を見ることで、自分の部屋を片付けたい気持ちがアップしますし、お手本として参考にもしてみましょう。

キレイな部屋で過ごすメリットを知る

汚部屋を脱出するには、きれいな部屋で過ごすメリットを考えることも大切なポイントでしょう。

例えば、きれいな部屋に住んでいると、ストレスが減り、部屋でリラックスできます。リラックスすることで精神が安定し、仕事や生活に対して明るく前向きな気持ちになれることでしょう。更に、物を断捨離することで余計な出費が減り、余ったお金や時間を使って、より人生を充実させることも可能でしょう。

こういったメリットを知り、部屋を片付けた後の自分の暮らしを想像してみることも、汚部屋脱出の近道になります。

片付けの流れ

汚部屋の片付けは、一気にすべてを片付けようとすると果てしない作業のように感じられて、途中で挫折してしまうことがあります。そのため、片付けをする際は無理のない範囲から、順番に効率よく行う事が大切です。

思い切って少しずつでも汚部屋の片付けを始めてしまうと、きれいになっていく様子が楽しくなるかもしれません。成果が見えれば片付けもはかどるので、汚部屋を脱出するために、以下で説明する流れに沿って順番に片付けを始めてみましょう。

ゴミや不要な物を処分する

汚部屋脱出の第一歩となるのが、ゴミや不用品を処分することです。まずは目についた明らかなゴミをビニール袋にまとめて、捨てる所から始めましょう。生ゴミなどは、臭いも気になるためマスクや軍手をつけて作業を行うのがおすすめです。

汚部屋は物が多すぎるケースがほとんど

汚部屋化してしまう部屋というのは、物が多すぎて収納しきれていないというケースがほとんどです。ゴミと、不用品、貴重品などととりあえず分別を進めましょう。

捨てていいか分からない物などはいったん保留し、まずは増えすぎた物を減らす感覚で不用品を選別しましょう。

必要な物だけ残し、整理整頓する

選別出来たら必要な物だけを残し、ゴミはまず捨てて、整理整頓する作業に移りましょう。物を片付ける時のコツは、1つ1つの物に定位置を決めてあげることです。物の置き場所に定位置を決め、物の導線をわかりやすくすることを心掛けましょう。

何がどこにあるのか、一目で分かるようにして収納します。自分の持ち物を把握しておくことで、余計な物を買ってしまう事の抑止力になります。

室内を清掃する

部屋の中の物の整理整頓が終わったら、室内の清掃に取り掛かりましょう。汚部屋はゴミや汚れのせいで悪臭がしたり、ホコリなどが溜まっているので念入りに掃除が必要です。

清掃の基本は上から下にすることです。上からホコリを払ってから、掃除機をかけて雑巾での拭き掃除をして、清潔な状態になるように頑張りましょう。

汚部屋に戻らないことが重要

部屋が片付いたからといって、また同じように物を溜め込む生活をしてしまうと、再び汚部屋に逆戻りしてしまいます。

折角片付けをしたのですから、汚部屋にリバウンドしないように努力しましょう。片付けたのに再び汚部屋に戻ってリバウンドしてしまった場合、前以上に汚部屋化が悪化する恐れもあります。

片付けられない内面の理由を解決する

片付けが苦手、あるいは片付けられないという人には、精神的な問題もあります。忙しくてなかなか片付けをする時間がないという場合もありますが、内面の問題が原因となっている場合も少なくはありません。

片付けられない人は、不満や自信のなさから自分を疎かにしてしまい、物事を溜め込むことで安心する性格の人が見受けられます。また、人間関係や仕事上の問題でストレスを抱えていたり、精神的に満たされないと感じていたりするケースもあります。

こういった問題と正面から向き合い、自分を見つめ直すことで安定し、片付ける気力も沸いてくることもあるでしょう。

掃除の習慣を持つ

部屋を汚部屋に戻さないためには、掃除の習慣を持つことも大切です。毎日とはいかなくても、何日かに1回は必ず掃除機をかける日を決めておいたり、常に気になる部分を少しずつ掃除するようにしましょう。床に物を置いてしまうと掃除機がかけにくくなるので、常に床は何も置いてない状態をキープするのもおすすめです。

立ち上がったついでに気になる部分の拭き掃除をしたり、トイレや風呂を済ました後についでに掃除をしてしまうのも良いでしょう。

何かのついでにこまめに掃除をすることを習慣化してしまえば、日頃からきれいな部屋をキープできます。

まとめ

一人暮らしで片付けられず汚部屋になってしまっている人は、今回ご紹介した片付けの流れや、汚部屋脱出のコツをぜひ参考にしてみてください。

必要最低限の物だけを残し、思い切って不要な物を捨ててしまうと、部屋も心もすっきりします。片付けを実行したらモチベーションを保ち、常にきれいな状態をキープできるように心がけましょう。