忙しかったり、気持ちが沈んでやる気が起きないなど、様々な理由でゴミ屋敷になってしまうことがあります。
大量のゴミを前にどうしようもないとあきらめていませんか?
片付けるにもどうしていいか分からないと不安を持っている人も多いのではないでしょうか。
今回はお家の状況に合わせた片付けの方法をご紹介します。
ゴミ屋敷になった部屋ってどんな感じ?
毎日暮らしている家は見慣れているだけに、ゴミ屋敷かどうかも分からなくなってしまいますよね。
ゴミ屋敷かどうかのチェックポイントを解説しますので、ご自身のお家と比べてみてください。
ゴミ屋敷の特徴は?
お家が散らかっているだけなのか、ゴミ屋敷なのか自分では気が付かないものです。
ゴミ屋敷を判定するチェックポイントは次の4つがあげられます。
- 部屋の中に足の踏み場がない
- ゴミが山積みになっている
- 悪臭・害虫が発生している
- ゴミと食物などが混ざって散乱している
片付けはできるだけ早い段階で手を付けたほうが費用もかかりません。
でもいったい、どのくらいまでなら自分で片付けができるのでしょうか。
〇自分で片付ける
自力でなんとか片付けられる状況は
- 広さは 3DK以下
- キッチン、お風呂、トイレが機能している
- 不便ながらも生活できる
この3つに当てはまるなら、まだ自力で片付けができます。
費用も最小限に抑えられますので、できることから始めてみましょう。
〇プロに任せる
個人では片付けられない場合についてみていきましょう。
- 広さが 3DK 以上
- 床という床が物で埋まっている
- キッチンやお風呂、水回りが使えない
- 家の外までゴミがあふれている
この状況になってしまうと、近所からの苦情がくることもあります。
またゴミの多さに関わらず、人手や道具を揃えられない、精神的に片付けが無理という方は専門家に相談することを考えましょう。
ゴミ屋敷を片付けないリスクは?
そうはいってもなかなか気が重い片付けですよね。
でもゴミ屋敷になってしまったお家をそのままにしておくことはリスクを伴います。
害虫や悪臭の原因となる
生ゴミや食べ物の入っていたパックなどが長いこと捨てられずにあるので、害虫が発生します。
ゴミが多いだけに腐敗臭やカビの臭いなど強烈になってきます。
害虫のなかには、家にも被害を及ぼす虫がいますので早めの片付けが必要です。
周辺住民とのトラブル
お家のなかだけでなく外にもゴミがあふれ出しているレベルになると、悪臭も害虫も周囲に拡がります。
野良猫が残飯をねらってよって来ると、ゴミの悪臭に加えて糞尿の臭いの問題が出てくることも。
近所から苦情が出てきたにも関らず放っておくと地域から孤立してしまったり、自治体からは警告がきたりします。
ゴミ屋敷に関する条例がある自治体では、自治体が代わりに片付け、その費用を家主が全額負担ということにもなりますので注意が必要です。
火事の原因になる
ゴミと一緒にたまってしまうのがホコリです。
結露などの水分を含んだホコリにコンセントからの電流が流れることでスパークし火事になることはよく知られています。
ゴミ屋敷になってしまうとコンセントの場所も見えないので、ホコリも取れず結露にも気付かないまま自然発火のように火事になってしまうリスクがあります。
病気やけがの原因となる
ゴミがたまると風通しも悪くなるので、湿気がなかなかとれずカビが生えやすくなります。
カビやハウスダストによるアレルギーの病気としては
- アレルギー性鼻炎
- アレルギー性結膜炎
- アトピー性皮膚炎
- 気管支喘息
などがあげられます。
また、足の踏み場もない床にはとがったものや、電気コード、割れたガラスなどが隠れている可能性があります。
知らずに踏んでしまったり、つまずいて転んでしまったりとけがの原因になりかねません。
ゴミを片付けるメリット
ゴミのなかで暮らすことに慣れてしまうと、このままでも暮らしていけているから大丈夫と思いがちです。
でもそれは不便に慣れてしまっているだけなのかもしれません。
ゴミを片付けることによって得られるメリットについてお話します。
時間に余裕ができる
床にたくさんのゴミが散乱していると部屋の移動も、物をよけたり動かしたりしないとできません。
また、必要な物と不要な物がまじっているので身支度するにもいちいち探し物をしなければならなくなります。
外出の支度をするにも探し物や物の移動のために倍以上の時間がかかっていませんか。
手間と時間がかかると何もかもおっくうになってしまい、さらに部屋が散らかります。
片付けをすることで必要な物がすぐ手に取れるようになることは、思いのほか快適です。
探し物をしていてギリギリの時間になり、あわてて仕事に行くということもなくなるでしょう。
経済的に余裕ができる
ゴミがたくさんあると常に必要な物を探して使うことになりますが、一方で物を失くしてしまいがちです。
探すのが面倒だから買う、キッチンが使えないからコンビニでお弁当を買うなど本来買わなくてもいい物も買わざるを得なくなります。
片付けをすると必要な物がすぐ手に取れるので、お金の無駄遣いを防げます。
精神的に余裕ができる
ゴミの無いきれいな部屋は、やはり気持ちがいいですよね。
お店やホテルなど清潔なところに行くだけでも気持ちがよくなりませんか?
お家もきれいになると、気持ちもスッキリできます。
実際、片付けをしただけで子供たちの表情が明るくなったという体験談もあります。
探し物や失くし物がなくなることで、時間もお金にも余裕ができるので自然に気持ちも豊かになるんですね。
自力で片付けるのに必要な準備と費用は?
自力で片付けられるレベルのゴミ屋敷の片付ける準備と費用を考えてみましょう。
片付けの準備
まず片付けに必要な準備を考えてみましょう。
- スケジュールの確保と片付けを手伝ってくれる人
- 片付けに必要な道具の準備
1.スケジュールの確保と片付けを手伝ってくれる人
ゴミ屋敷のようになってしまうと片付けは1日では済まないでしょう。
ゴミをためてしまうと気持ちもなかなか前向きになれないので、手伝ってくれる人がいるのは心強いですよね。
休日をねらって片付けのスケジュールを立て、3人がかりで片付けるくらいが負担が少なくて済みます。
ゴミの持ち込む場所や受付時間も確認してスケジュールを決めることも重要です。
2.片付けに必要な道具の準備
大量のゴミの片付けには道具の準備もたいせつです。
〇服装
- 軍手、ゴム手袋
- マスク
- 長袖、長ズボン
害虫やネズミなどが潜んでいる可能性があります。
汚れてもいい服装で肌が出ない長袖、長ズボンがいいでしょう。
ホコリやカビの胞子を吸い込まないようにするためにもマスクは必須です。
〇道具
- 殺虫剤
- 自治体指定のゴミ袋
- ガムテープ、ひも、段ボール箱
- 新聞紙
- 掃除道具
- 洗剤
- トングのようなもの
- ゴミを運搬する車
害虫がたくさん発生しているので殺虫剤は必要です。霧状で部屋全体に行きわたるものやスプレー式の物など用意しておくといいでしょう。
新聞紙やガムテープは刃物のような物を捨てる際にくるんでおくとけがを防げます。
柄の長めのトングは触りたくないゴミをつかむのに便利です。
2.片付けの方法
準備ができたらいよいよ片付けます。
順番としては次のようになります。
- 害虫駆除から始める
- 明らかにゴミと分かるものから捨てる
- ゴミを仕分ける
- ゴミを出して清掃
1.害虫駆除から始める
生ゴミや残飯をそのままにしておくと、ゴキブリなどの害虫が発生しやすくなります。
ゴミを持ち上げたときに這い出してきたりすると作業の妨げになりますので、あらかじめくん煙剤のようなもので部屋全体に散布しておくことをおすすめします。
2.明らかにゴミと分かるものから捨てる
明らかにゴミと分かるものからゴミ袋に入れていきましょう。
順番としては入口から始めるのがおすすめです。
なぜなら、ゴミの排出がしやすいからです。
目の前からゴミが無くなり床が見えてくると達成感も高まってモチベーションもあがってきますよね。
2,3人で部屋ごとに分担して片付ける場合もそれぞれの入り口から始めるといいでしょう。
3.物を仕分ける
明らかにゴミと分かる物を捨てていくとゴミとはいえない物も出てきます。
ゴミではない物は3つの段ボール箱に仕分けします。
- 使う物 生活に必要な物
- 捨てる物 使っていない物、使いづらい物
- 保管する物 契約書など保管が必要な物、思い出の物
ここで多くの人が「使わないけどもったいない」「高かったからいつか使うかも」「○○さんからのプレゼントだから捨てにくい」と物を減らすのをためらいます。
どう減らすかは個人個人ちがいますが、捨てる基準を決めるとよいでしょう。
例えば
- 2年間使ってない物は捨てる
- 新機能の機種が主流になったものは捨てる
- 思い出の品物は写真で残す
未来の自分でもなく過去の自分でもない、今の自分にとって必要なものかという視点でシンプルに考えることがたいせつです。
4.ゴミを出して清掃
捨てるゴミがまとまったら、自治体のルールに従って捨てましょう。
生ゴミを撤去したあとのようにシミやカビが生えているところは念入りに掃除する必要があります。
掃除が済んだら必要な物はそれぞれ使う場所にしまいます。
文具やアクセサリーなど品目ごとにしまう場所を決めて収納していきます。
ここまでくると毎日の小さな不便さがなくなって快適な生活ができるようになります。
3.不用品処分の費用
自力で片付ける場合でも不用品の処分費用がかかります。
粗大ゴミや家電リサイクル対象家電(テレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコン)の処分は収集場所に持ち込んだり、リサイクル券を購入したりするなど決まりがあります。
各自治体のホームページにある廃棄の方法に従って捨てましょう。
リサイクル家電なら家電リサイクル券センターのサイトでメーカーや年式、大きさなどからリサイクル料金が分かります。
また、リサイクル家電は購入した電気屋さんに引き取りに来てもらうこともできます。
収集場所に持ち込む車両がないときは不用品の回収だけプロにお願いすることも考えましょう。
プロの片付けの費用を抑えるには?
あまりにも大量のゴミに埋もれてしまっていたり、精神的にどうしても手につかないときはプロにお任せしましょう。
プロに依頼する方法は
片付けを請け負ってくれる業者を片付け業者といいます。
片付けのプロなので、片付けをすべてお任せしてもキレイに片付けてくれます。
ただし、なかには悪質な業者もいますので業者は慎重に選びましょう。
〇業者に依頼するときのコツ
業者に依頼するときは必ず複数の業者から見積もりをとりましょう。
片付け業者のホームページなどで2,3社ほどにしぼります。
損害保険に加入している、今までの片付けの実績がわかる業者はおすすめです。
次に見積もりを依頼します。
見積もりの段階でチェックすることは次の2つです。
- 見積もり額の説明が丁寧で分かりやすい
- 見積もり後の追加料金が発生しない
料金が安くても見積もりの説明があいまいなところは、片付けの後で高額な請求をしてくる可能性がありますので気を付けましょう。
〇プロの片付け費用の相場
では、片付け業者に片付けを依頼するとどのくらいの費用が発生するのでしょうか。
費用は、ゴミの量や広さ、ゴミの内容、必要な作業人数 によって変わってきます。
料金体系も様々あり、トラック積み放題のようなパック料金や不用品の買い取りサービスなどお得なものもあります。
料金の目安は
- 1R~1K の片付けなら30,000円~、
- 軽トラック積み放題のようなパック料金なら20,000円~30,000円前後、
- 1.5tトラック積み放題なら40,000円~50,000円前後
業者によってさまざまなサービスもあります。自分に合った片付け業者を選びましょう。
〇片付け費用を抑えるコツ
ゴミの量や作業時間、作業員が増えると費用がかさみます。
ある程度自分でできることをすることで費用を抑えることができます。
- 自分で捨てられるゴミは捨てておく
- 必要な物、不要な物を仕分けしておく
- 買い取ってもらえそうな物はキレイにしておく
この3つをすることで料金から割り引いてくれる業者もあるので、確認してみましょう。
それでも片付けに取り掛かかれない時は?
お家をゴミ屋敷にしてしまう人のなかには、
- 片付けすればいいと分かっていても片付けられない
- 片付け方が分からなくてそのままにしている
という人がいます。
片付けられない理由のなかには、本人だけではどうしようもない事情が潜んでいることがあります。
片付けられない理由
片付けられない理由は様々あります。
もったいなくて捨てられない、掃除がきらいな性分という場合もあるでしょう。
しかし自分の日常のケアも面倒くさい人、買い物ばかりする、物をため込むというような人のなかには、うつや依存症、発達障害などの精神疾患がかくれていることがあります。
家族を亡くしてしまった、仕事が忙しすぎて気持ちが休まらないなどストレスから片付けられない人もいます。
この場合は本人の努力だけではどうしようもないことが多く、自分で自分を責めてしまいがちです。
ゴミのあふれるお家に嫌気がさしながらも片付けられないなら、片付け業者に依頼して片付けてもらうというのがおすすめです。
お家がスッキリしただけで前向きになれたという体験談はたくさんあります。
気分の落ち込みがひどく長引いているようなら、医療機関に相談しましょう。
大切なこと
いっぺんに片付けようとするとあまりのゴミの多さにくじけてしまいますよね。
お財布からレシートを出すというようなささいなことから始めてみましょう。
1日10分だけとか、トイレだけなど時間や場所を区切ってゲーム感覚で取り組んでみることも効果があります。
自分のお家を片付けたいと思ったときがチャンスです。
ゴミを捨てた、ほうきで掃いたという小さな一歩を積み重ねていきましょう。
まとめ
ついつい見て見ぬふりをしてしまう散らかった部屋ですが早めの対応で費用も抑えられ、健康被害や近隣とのトラブルを避けることができます。
スッキリしたお家は住んでいる人の幸福感を上げる効果があります。
無理せず片付ける方法を選んで少しずつでも始めましょう。